スウェーデンに家族と共に移住したエンジニアのブログ

娘の教育と妻のキャリアの為にスウェーデンへ移住。

海外企業へ転職する為の具体的かつ現実的な5つのステップ ①言葉

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自動車業界のエンジニアを例に、海外企業へ転職するにあたって何を準備し、理解をしておかないといけないのかを下記5ステップに渡り書いてみます。

  

1.言葉

2.文化

3.CV=職務経歴書

4.求人探し

5.面接(Skype→Face to Face)

 

今回は「①言葉」となります。

 

 

海外転職にTOEICは関係ない

「オレ、英語できないからなぁ・・・」とか、「オレ、TOEICで○○点だからなぁ・・・」と思っているアナタ!大丈夫です。TOEICはどうだっていいです。海外企業に転職する上で全く必要ありません。そもそも欧州人はTOEICの存在すら知りません(マジっす)。

今の時代、外国企業が日本人を雇うなら最初の面接をSkype等でやることになります。これでどれだけ英語が話せるかはTOEICの点数以上に正確に伝わります。

そもそも、本当に日本人は「英語ができない」のでしょうか、私はこの表現が間違っていると思います。スマホやPCでこのブログを読んでいるアナタ、今、身の回りにあるものを英語で言ってみて下さい。

Smart Phone, Key Board, Monitor, Desk, Window, Bed, TV...けっこう言えますよね。他にも天気だって言えますよね、Sunny, Rain, Cloudy...食べ物とか、Breakfast, Lunch, Dinner...

ではこれを全てスウェーデン語で!と言われても一つも出て来ないでしょう。ですから日本人がスウェーデン語ができないのは事実です。でも英語ならスラスラ出てきます。我々はかなり膨大な量の英単語を蓄えてあります。中学高校の6年間に単語帳から脳ミソに叩き込んだ、アレです。テスト以外でやっと役に立つ時が来ました!

ですから、英語ができる・できないで言えば、日本の成人であればほぼ間違いなく全員が「できる」と言ってもいいレベルです。皆さんは「英語ができない」と洗脳されているだけなのです。

外国人の多くがこの事実を指摘しています。外国人は「日本人は英語の読み書きはたいていできる。でも話そうとしないんだ。」と言う人がすごく沢山います。まぁ仕方ないですよね、Inputは大量にあったのですが、Outputの機会がほとんど無い社会なので当然と言えば当然です。また、とってもシャイな国民性ですし。

要は多くの日本人にとって、英語が話せるようになるのは慣れの問題、つまりどれだけ使うかだけの話で、その環境が整えられるかが重要となってきます。車の運転で言えばペーパードライバーのようなものです。車を買って乗っている内に運転技術は勝手に上達します。英語もこれと全く同じ理屈です。せっかく教習所に通った(=最低でも6年間も教育を受けた)のに、車に乗らない(=英語を使わない)人と同じ状態なだけなのです。

 

外国人の友達を作ろう

少し導入が長くなりましたが、ここからは具体的にどうやってその環境を整えるか、私自身の経験を踏まえて語ります。

 

オススメの方法は、今の時代どこの職場にでも英語を話す外国人が一人や二人いると思いますので、まずは彼らとお友達になりましょう。私は12歳からの2年間をアメリカで過ごしたにも関わらず、つい数年前までは外人を目の前にしても英語なんぞまったく出てこなかったのです。

アメリカにいた頃の経験は多少プラスにはなったものの、いわゆる"ベラベラ"からは程遠かった訳です。

 

私はラッキーなことに、日系企業時代にスウェーデン人のデザイナーM君と仲良くなりました。ある日、M君が会社の喫茶スペースで一人寂しそうに立っていたので、どこから来たのかとか、何をしているんだとか話しかけたのが始まりでした。その時にまさか自分がM君の祖国へ移住するなんて全く想像していませんでした。

その後、M君を見かける度に話しかけている内に、メールで「今からお茶しない?」と互いに誘うようになり、やがて毎日定刻にサボる、いや、休憩をするようになっていきました。当時私はレース専用車両の開発に従事しており、レースに興味があったM君とレースの結果、技術的な内容や裏話で盛り上がりました。それと比例して私の英語力も伸びていきました。ですので、外国人なら誰でも良い訳ではなく、意気投合できる何かが必要です。日本人同士でも全く一緒ですが。

M君とはプライベートでもよく遊ぶようになり、当時独身であった私は彼を幾度となく合コンに連れて行ったり(これは本当に面白かった)、私の趣味である高額な自転車を買わせてみたり。そうこうしている内に、彼から派生した他人種の外国人の友達が増えていきました。

その中で、いまや親友ともいえるもう一人のスウェーデン人、S君と出会いました。S君とは普段は英語でやりとりをしていますが、S君は日本語も話せるので、何か分からない単語があるとすぐに日本語で"迂回"できたわけです。

このようにして、毎日会社で一定の時間M君と英語で話す習慣ができ、また、毎週末のように彼らと遊ぶようになって2,3年が経過したところで、英語がベラベラになったどころか、外資系企業へ転職し、その後スウェーデンへ移住まで辿り着きました。人生とはたった数年で大きく変わってしまうものです。

 

会社や身近な環境に外国人がいない場合はどうすればよいか。六本木でも渋谷でも行けばいいんです。無数の外国人がいるはずです。その中でたった一人、気の合う友人を見つければいいんです。この際、観光客と仲良くなっても意味がありません。短期間で母国へ帰ってしまう駐在の人よりか永住している人を探しましょう。最初に話しかける時はとっても勇気がいると思います。でも大丈夫です。ルー大柴になりきればいいんです。相手も日本に来ている外国人です。日本人には基本的に興味があるはずなので、日本語を交えたつたない英語であっても親身になって聞いてくれるものです。

 

「外人の友達なんていないし六本木とか渋谷とか苦手だよー」という方、最後の手段です。少々お金がかかりますが、英会話学校ほどではありません。「ネイティヴ先生」でググって見て下さい。いわゆるプライベートレッスンってやつです。私は昔これでドイツ語を学んでいました。

 

英会話学校は補助的位置づけ

これは私の独断と偏見ですが、多くの人が「英語ができない→英会話学校に行こう!」の選択が頭に浮かぶと思います。時間と費用の観点で全くオススメできません。

英会話学校そのものを否定するつもりはありませんが、私はこの場合の学校というのもは「主たる場=日常的に英語を使う場所」を補う存在であるべきで、週に何度かで合計数時間の場を主たる場とするには無理があると思います。毎日通うなら別の話ですが。

私自身、ここ数年で飛躍的に英語が上達しましたが、英会話学校に通ったことも無ければ教科書のようなものを広げた記憶も一切ありません。分からない単語をGoogleで検索するのはほぼ日常と化していますが、それ以外に特別にやったことはありません。

とにかく、英語を使うことを日常とすればよいだけの話です(それがなかなか難しいのですが)。それに、これは中学高校の英語科目のような勉強ではありません。ただ、異国の友人としゃべればよいのです。

 

英語ベラベラの定義って?

ところで、どれだけのレベルの英語ができれば良いのか、これも最初に理解しておく必要があります。

よく「○○さん、英語ベラベラらしいよ!」と聞きますが、英語と言っても幼稚園児と大人とで全然違います。ところが多くの日本人は、幼稚園児レベルの英語でさえ"ベラベラ”と表現してしまうのではないでしょうか。

業界や職種によって大きく異なると思いますが、例えば私のような自動車業界の開発職であれば、実は日系企業で日常的に使っていた単語がかなり使えます。

幸いなことに車やバイクの部品は日本でもほとんどが横文字で表記されています。エンジンとかタイヤとかサスペンションとかギヤボックスとかボルトとかナットとか。それらがそのまんま通じます。でもウィンカーのことはブリンカーと言ったりするので時々修正は必要です。

なので、外資系企業や海外企業で働く上で、何も完璧な英語なんぞ必要ないのです。事実、私はハリウッド映画を字幕無しで見ても半分ぐらいしか分からないし、ドナルド・トランプやヒラリー・クリントンが演説している内容もよく分かりません。

でも、同僚が会議で話すことや、対外的な打合せの場での英語はほぼ完璧に分かります。ビジネスで必要な英語とハリウッド映画を理解する英語は全く違うレベルです。

きっと私は多くの日本人から"英語が超ベラベラな人"と形容されるのでしょうが、中身の90%が中学で習う英単語の組み合わせです。中学3年までに習った英語に毛が生えた程度でしょう。文法もめちゃくちゃです。3人称単数だとsを付けるとかどうだっていいです。自分が話している時に自分のミスに気づき、わざわざ言い直してまでsを付けるとか相手をイライラさせるだけです。前述にもありますが、とにかくTOEICで満点なんて取る必要はありませんし、そもそも受ける必要すらないと思います。

 

敵は英語にあらず!?

英語がそこそこできるようになった私は現在新たな壁を感じています。スウェーデン語の壁です。スウェーデンの企業で働いているので、当然社内のほとんどのコミュニケーションはスウェーデン語になります。全社員ミーティングなんてもうチンプンカンプンです。

でもこれ、以前勤めていた外資系企業でも同じでした。スウェーデン企業に勤めるならスウェーデン語を話せるようにならないと明らかに不利です。日本からの駐在であれば数年の間を英語で乗り切る手もありますが、永住を選択しておいてその国の言葉を話さないというのはおかしな話です。

なので英語だけやっておけば良いかというとそうではありません。英語を母国語としない国では、所詮とりあえずの言語・手段に過ぎません。ですので、そもそも完璧を目指す必要はないのです。

 

ですので今回の記事のタイトルは英語ではなく、「言葉」となっています。

 

特に自動車業界の人間であれば、移住先の可能性として高いのはドイツやアメリカなのではないでしょうか。日本と並んで自動車大国なので、会社の数も多いですし求人の数も多いのは自然なことでしょう。なのでドイツ語を今から勉強しておくと、ドイツ系の企業に応募する時に少しはアピールしやすいですよね。面接の場で「英語だけでなく、ドイツ語もやってますよー」と伝え、そこで多少のドイツ語を織り交ぜたりすれば好印象を与えられるはずです。

 

まとめ

・TOEICは忘れて良し。細かい文法は一切気にしない。

・海外企業へ転職段階での英語はとりあえずの"まぁベラベラ"レベルでOK。

・移住した後にその国の言葉を数十年かけてマスターすれば良し。先は長い。

・まずは何とかして外国人の友達を作ろう。難しければネイティヴ先生。

・とにかく英語を使う。生かすも殺すも自分次第。ルー大柴になろう!

 

 

日本に住んでいる人なら誰にだって、大きな費用負担無く、数年で英語ベラベラになるチャンスがあり、その環境は整っています。

我々日本人は世界に誇る高等教育を受けている訳で、もはや英語は”できる・できない”ではなく、”やる・やらない”かの話。ペーパードライバーのままじゃいつまで経っても車を運転できないのと同じで、英語も使わないとダメです。

 

今回はこの辺で。次回は「文化」編です。実は言葉以上に重要です。

 


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