ストックホルムへ家族で移住し、現地企業 Öhlins Racing ABで自動車用サスペンションを開発するエンジニア、36歳、二児の父親です。
昨日は日帰りでGöteborg イエテボリのボルボ本社へ出張。
4時半起きで朝7時の便、帰りが18時半の便で帰宅が20時過ぎ…かなり疲れました。
↓始発の便。雪だらけだけど平気で飛ぶもんですね。
そう言えば一昨日からやっと雪らしい雪が降っています。
待ってましたよ!外が真っ白だと嬉しい楽しい。
さて、今回は日本の皆さんによく聞かれることとその回答を書いてみます。
1 移民でも社会保障は受けられるの?
→VISA(私の場合、正しくは労働許可)を取得していてちゃんと税金を払っているのでスウェーデン人と全く同じように社会保障が受けられます。
なので子供の教育費はかかりませんよ。
2 VISAってどんななの?
VISAと言っても色々あってですね、例えば留学VISAとか、配偶者VISAとかとか。
細かい話ですが私の場合はVISAは不要で、その代わりに労働許可 Arbetestillståndが必要となります。まぁVISAって言っちゃってますけどね。
当然ですが労働許可を取得するにはスウェーデン企業との契約書が必要です。
また、旅行でスウェーデンに限らず、シェンゲン域内には観光VISAで90日まで滞在可能です。
3 労働許可の更新は?永住権は?
これもVISAにもよりますが、私の場合はスウェーデンに居住してから2年後に更新が必要です。その間に会社を変えたり、社内で配置転換があり職種が変わると移民庁 Migrationsverketに報告が必要となります。
そのまた2年後、つまり居住開始から4年後に永住権が取得できます。
このタイミングで地方自治体の選挙権が得られます。
我々もあと2年ちょっとで永住権が取れます。
4 国籍はどうなるの?
これもまたVISAにもよりますが、私の場合、永住権が取れてから更に1年経った段階でスウェーデン国籍を取得する申請ができます。
私はどうするかって?ええ、スウェーデン国籍を取ろうと思っています。
理由はスウェーデンの国政選挙に参加したいからです。永住権があれば地方自治体の選挙、つまり日本で言うなら市区町村と都道府県までの選挙には行けますが、国政選挙はスウェーデン国籍が必要なんですね。
日本とスウェーデンのパスポートの強さはほとんど変わらないので、国籍を変えたところで生活の実態はほとんど何も変わりませんが。
あと3年ちょっとでスウェーデン人になっちゃうのかぁ…
ちなみに日本は二重国籍を許していない(←ん〜…)ので日本国籍は放棄しないといけません。
5 子供の国籍は?
次女はスウェーデンで産まれていますが、スウェーデン国籍はありません。日本国籍です。
アメリカとは違うんですね。
私はスウェーデン国籍を取る予定なので、となると子供達にもスウェーデン国籍を取得する権利が発生するはずです(ちゃんと調べていませんが)。
スウェーデンでずーっと育ってきてスウェーデンの国政選挙に投票できないのはどうかなと思いますが、どちらの国籍にするのかはいずれ子供達本人に決めてもらおうかなと思っています。
その頃には日本も二重国籍OKになっていればいいんですけどねぇ…
ちなみにスウェーデンは二重国籍OKです。
6 医療費って無料なの?
無料ではないですね。例えば風邪を引いて病院で医者に診察してもらうには200kr=2600円かかります。
ただし、診察代が年間で1100kr(だったかな)=14000円以上は無料になります。あんまり病院に行く必要があるヤツはかわいそうだからタダにしてやろう!ってことですかね。
薬代も同様で2200kr(だったかな)=29000円以上は無料。
あと、ガンが見つかって手術を受けても2600円でOKです。
脳梗塞も心臓のバイパス手術も2600円です。
なのでガン保険が存在しません。
6 会社を突然クビになることってあるの?
「おまえはクビだぁ〜っ!」なんて、ハリウッド映画みたいなことは起きません。もちろん業界や会社にもよるでしょう。これは日本と全く同じで、一度雇った正社員を解雇するのは至難の技と言えます。
7 労働組合ってあるの?
ありますよ。ただ日本の労組とはちょっと違って、会社単位の労組にはなっていません。
代わりに職業ごとに労働組合が形成されていたりします。なので個人がどの組合に入るのか自由に選べます。
私も今年の頭からやっと加入しました。Sveriges Ingenjörer=Sweden’s Engineerという、エンジニアの労組に加入しました。
万が一、職を失った時にこの組合が新しい仕事を斡旋してくれます。あとは住宅ローンが安く組めるとか色々あるようですがまだ調べきれていません。
また失業保険 A-kassaにも同時に加入しました。失業後の5ヶ月間、収入がある程度保証されます。
ただ、私の場合、永住権を取るまでは「職を失ってから原則3ヶ月間スウェーデンに滞在できる」となっています。
"原則"とあるので交渉の余地はあるでしょう。3ヶ月が経過したとしても、子供もこっちの学校に行っていて、家まで買っていたらなかなか強制送還とはならないのではないかと。
まぁ3ヶ月もあれば次の仕事は見つかるでしょう。別に死んじゃうわけでもないし、大した話ではありません。
8 食べ物はどうしてるの?
味噌、醤油、酒などは近所のスーパーで買えます。ストックホルムの都心にJapanska torgetという日本食材屋さんもあり、ここに行けば納豆とか冷凍のラーメンとかカレーのルーとか色々買えます。
9 スウェーデンって寒いの?
そりゃ緯度が高い国なので寒いに決まっています。スウェーデンも日本と同様、南北に長いので北と南では全く気候は異なります。
私の住むストックホルム郊外は、思ったほど寒くありません。私は栃木や東京で育ってきましたが、ストックホルムの冬はまあ想定の範囲内です。
バナナで釘は打てませんよw
ただ、家に一歩入ればセントラルヒーティングで家中どこでもポカポカですし、外は雪で真っ白でとても綺麗で、全くと言っていいほど苦ではありません。
通勤も車ですし、日々の生活において寒さを実感する機会もあまりないんです。
10 辛いことは?
これはもう冬場の日照時間ですね。今の時期はお日様を拝めるチャンスがほとんどないです。
だいたい毎日曇ってドンヨリしているので太陽がなかなか見れません。
太陽が出たとしても、地平線のちょっと上をかするように移動していきます。
自分の影がいっつも長いんです。
寒いのは想定の範囲内でしたが、暗さというのは聞いてはいたものの実際に喰らってみてけっこう大変でした。
ただ、今回の冬は2度目となり、既に慣れてきてほとんどなんて事ないのですが、最初の年はかなり苦労しました。
太陽って大事☀️
11 税金高いんでしょ?
まず、税金高い=悪いこと、と思ってませんかね。そんなことないですよ。
ガンになっても医療費は税金で払ってもらえるし、教育費は大学を出るまで無料(医学部も無料)だし、毎日生きていて色々なところで払った税金のリターンが感じられます。
医療とか教育の諸々が「丸ごと安心パック!」になっているってことだと思います。
日本のように税率が低くても、手取りからガン保険、子供の学費、と色々引いていくと最終的に可処分所得はどちらが多いのでしょうね!?
物価も異なるのでなかなか比較はできませんが、私の場合は今の生活に満足しています。
首都圏にも関わらず自然が徒歩圏内にあるのでお金を使わずに子供達と充実できる環境が整っているんです。
スウェーデンでも納税者がこういったリターンを感じられず、不満が募れば税率は下がるんじゃないですかね。
スウェーデンの選挙の投票率は80%を超えます。みんなで考えて決めた税率ですから、きっとこれがこの国のベストに近いのでしょう。
他にも質問があればコメント下さい。