ストックホルムへ家族で移住し、現地企業 Öhlins Racing ABで自動車用サスペンションを開発するエンジニア、36歳、二児の父親です。
↓先週末はノルウェーとの国境にあるスキー場へ行ってきました。(タイトルとは全く関係ありません)
最近、色々な方から
「ブログの内容が毎回ハッピー過ぎる!おかしい!」
「不幸な面もあるに違いない!」
のようなご指摘を頂いたので、今回はその辺について書いてみます。
いい機会なので気持ちを整理してみました。
まずは自身のブログを読み返してみましたが、確かにあまりネガティブなこと書いていませんね。
元々楽観的な人間ですしね~。
頭の中がお花畑だと思われても仕方がないでしょう。
で、実際に頭の中はお花畑です!!
ええ、もう綺麗なお花が広がっちゃっていますよ。
ただ、これらのお花は私と妻が日本にいる時から入念に準備をし、適切な土を見つけて種を撒き、丁寧に水をあげてきた結果なんですね。
何も勝手にお花が増えていったわけではないんですよ。
我々にとってのこれらの綺麗なお花というのは、例えば以下の3つに言い換えられます。
①子供の教育
②男女平等社会
③ワークライフバランス
(いつも書いている3つです)
また、綺麗な花が育つ重要な要素として、適切な土や水が必要です。
これら「土・水=社会」と言い換えることができます。
そして、「種=我々自身の準備・行動」と言えます。
つまり、頭の中をお花畑にすべく、日本にいる頃から準備をしてきた一つ一つの行動(=種)が、自分たちの選んだ社会(=土・水)で花となっているのです。
正確にはまだまだつぼみの方が多いですし、まだ芽すら生えていないところも沢山あります。
例えば、
・子供達にこの社会を楽しんでほしい
・スウェーデン語をちゃんと話す
・妻が保育士となり社会の一員となる
・もっと大きい家に引越す
・別荘を買う
などなど、いずれも数十年に及ぶ長期的な視野で畑を眺めています。
ですが、やがてどれも素敵なお花になると信じています。
■
スウェーデンに移住する以前から現在に至るまで、妻と私は
「どんな花を咲かせたいのか。その花が咲く土はどこにあるのか。」
の話しかしていません。常に前を向きっぱなしです。
(そりゃ時々くだらないことで夫婦喧嘩ぐらいしますよ)
このように前向きに生きていれば、少々ネガティブなことがあってもさほど気にならないものです。
今、我々が見えている素敵なお花達、つまり子供の教育や男女平等社会、ワークライフバランスは、我々が日本にいたらどんなに億万長者になっても手に入らなかったものばかりです。
それが移住と共に突然手に入ったものですから、むしろ頭の中がお花畑になっても当然だと思っています。
そうは言っても確かにネガティブな部分だってあります。
やはり、最も大きいのはスウェーデン語が分からないことです。
スウェーデン語の習得具合は社会との距離そのものだと思っていますから。
スウェーデン人がいくら英語が話せるといっても、年がら年中英語で会話するわけではありません。
同僚の世間話もまだまだ分からないですし、まぁ時に寂しい思いもします。
但し、これは予め想定をしていた範囲内のことですし、自分の努力次第で解決できる問題です。
言葉が分からないからくよくよするのか、はたまた職場の同僚に「俺にスウェーデン語を教えてくれ!」という新たな種を撒くのか。種を撒く・撒かないを決めるのは自分です。
また、言葉が分からなければ学校に通うなりして勉強すれば良いのです。
これもまた別の種です。
(来週から有料の語学学校に通うことになりました!これについてはまた後日。)
というように、言葉が分からないという辛さを新しい言語を学ぶ楽しさに切り替えればよいだけです。
同じ状況を辛いと捉えるのか、楽しいと捉えるのか、これは目標とする到達点がどれだけ具体的に見えているかで変わってくるのだと思います。
我々は数十年スパンで計画を立て、スウェーデンに骨を埋める覚悟でココまで来ています。
(お墓どうしようかな?)
何の計画も無しに、フラフラ~っと引越してきていたら、目の前のネガティブな要素一つ一つに翻弄されてしまい、さぞ疲れていたことでしょう。
ですから、入念な計画が必要です。
計画なんて大げさで、希望が抱ければなんだっていいんです。
■
但し、我々もまだ移住歴2年足らず。あと5年、10年経ったらどうなっているのでしょうね。
それは誰にも分かりませんが、未来(=花)は自分たちの行動(=種)次第で、自由に描けるということは間違いないでしょう。
日本にいる時に、前述の①子供の教育 ②男女平等社会 ③ワークライフバランスについて妻と深く悩みました。
日本にいても色々とやりようはあったと思いますし、きっと日本社会は今後大きく前進していくでしょう。実際に働き方改革等など、色々と話題になり社会の変化を実感し始めているころだと思います。
ただ、我々の見立てでは、社会は突然ガラリと変わることはなかなかないでしょうし、我々が望む方向に徐々に変わっていくとしてもあと10年、いや、20年、もしかしたら30年かかるかもしれません。
日本社会が数十年かけて変わるのを待つのか、それとも我々が望む社会へ飛び込み、自分たち自身を数年で変えるのか、我々が選んだのは後者だったのです。
そしてその決意は簡単には揺るがないものなのです。
こういった背景があるので頭の中がお花畑になるのです。
色々と考え、準備をし、行動をし、目標に到達すべく毎日を生きています。
■
という訳で、移住に限らず、何かをガラリと変える時は「どこに何をしに行っているのか」をよく考えないといけませんねって話です。