ストックホルムへ家族で移住し、現地企業 Öhlins Racing ABでエンジニアとして働く傍ら、スウェーデン企業への転職・移住サポート事業 LIV INNOVATION (https://liv-i.se)の代表を務める37歳、二児の父親です。
今日はちょっと大袈裟なタイトルです。
が、面白い経験をしたので日記として残しておこうと思い書いておきます。
今夜19時からは長女が通うスケート教室の保護者会?理事会?がありました。
何日も前から日時と場所と議題が書かれたメールが来て、今日の昼間にもリマインダーが届くぐらいなのでさすがに行っておかないとマズイ雰囲気を感じ取りました。
妻に行かせようとするもアッサリと断られ、渋々私が行くことに。
場所はいつも通っているスケート場の脇のミーティングルーム。開始時間から3分ほど遅れてドアを開けた私。
目の前に広がった光景は円卓を囲む十数名の人達。これを見た瞬間に、
やべーやっちまった、明らかに場違いだ。来なくて良かったパターンだ
と思ったわけです。
このスケート教室には100名ちょっとの子供達が在籍しているようなので本日の理事会には20%にも満たない数の親が参加しているってことになります。
私は3〜40人がモサモサっと集まってシャンシャンで終わる会合だと思い込んでおり、まあ後ろの方にチョコンと参加して親切な人に後でおさらいさせてもらえばいいか〜ぐらい思っていたのですが…
結局帰る訳にもいかず、円卓を囲む一人になってしまいました。
さて、理事会の開始。議題は全部で16個あり、まあ活動報告とか会計とか、理事長の選挙、役員の選挙などなどです。
議題に沿っての話なので、みなさんがスウェーデン語で何を言っているのかは何となく分かりました。
後になって分かったのですが、結局今夜の理事会の参加者は現理事と次期理事の人達で10名ほど。あとは熱心な親が5名、プラス私の16名でした。
(ぶっちゃけ私は参加しなくても全然気まずくなかったってこと)
まあしかし皆さんよくしゃべる!
ホント活発でまともな議論!いやー、さすがガチンコ民主主義社会だなーなんて思っていました。
で、ここで一つ思ってしまったのです、、
「(アレ…ここで喋っていないの、俺だけじゃん。何しに来たんだ…?)」
そうなんです。英語なら楽勝ですがスウェーデン語となるとやっぱり黙ってしまいます。
ですがこのまま黙ったまま帰ったらただのキモいヤツになります。
遅刻してきた上に一言も話さず、解散と同時にそそくさと帰るのってどうですかね。移民として、余所者として適切な行為なんですかね。
と考えている内にいよいよ最後の議題、その他質問となりました。ここで真っ先に高々と手を挙げた私。
これまで1時間半、一言も話さなかった唯一の外国人である私に一同言葉を失いつつ大注目。
一体アイツは何を言い出すんだ!!という雰囲気に包まれました。
(以下、やり取りは全てスウェーデン語)
理事「…え?…あ、あぁ…ど、どうぞ?なんですか?」
私「質問ではないのですが、ずっと黙ってて申し訳ないので、私と家族について少しお話させてもらってもよいですか?」
理事「え?…あ、はぁ…」
みんな「いいじゃない!聞かせてよ!」
私「我々は東京から3年ほど前に引っ越してきました。長女がこのスケート教室に本格的に通い始めたのは今年の1月です。妻も日本人で、日本人一家となります、珍しいでしょ!?で、御察しの通り、スウェーデン語がまだまだ完璧ではなくて、分からないことだらけなので皆さんの助けが必要なんです。ですから細かいことでアレコレ質問をさせていただきますがよろしくお願いします!また、我々としてもこのクラブに貢献をしたいので何かあれば何でも言って下さい!
ちなみに私はすぐ近くにある会社でエンジニアとして働いていて、日本ではホンダやBMWで働いていました。車やバイクでお困りのことがあれば私へご相談下さい。何もできませんが適当な事だけは言えます!!
スウェーデン語はあと数年で完璧になるはずなので、その時に是非とも理事にチャレンジさせて下さい!(一同大爆笑)」
理事長「ありがとう(^^)発音綺麗だしすごく話せますねぇ!」
みんな「すごいわよ!次の理事長だね!笑笑」
と、こんな感じでしっかりと爪痕を残してこれたかと思います。
(発音を褒められるのは毎度嬉しい。かなりこだわっているので)
移民として生きる上でこうした超アウェーの環境に囲まれることが時々あります。
その時に、黙ってその場をしのぎ、そして黙って立ち去るのか。
それとも自分がどういう人間かを知ってもらい、貢献したいという意思を伝えるのか。
どちらを選択するかは本人の自由ですが、私は可能な限り後者を選びます。
こういった場面で緊張もしません。よそ者として適切なタイミングで、適度な内容を述べる。こんなことは移民として当然のことです。
逆に言えばこれをやらない限りスウェーデン社会の扉は延々と開かないでしょう。
また、こうした身の上話をしている最中に、聞いてる人達を注意深く観察することも大切です。
前のめりになって興味深く聞いてくれる人。深く頷いたり相槌を打ったりしてくれる人。質問をくれる人。全く興味なくスマホをいじり出す人。
その場にいる人たちが自分にどれだけ関心を抱いてくれてるかを測れる貴重なチャンスでもあるわけです。そしてこの前のめりの人達は大抵の場合その後仲良くなります。
こうして自らストライクゾーンを作り上げることが大切なのです。
私はこちらに移住してきて以来、幾度となくこの扉をこじ開けてきました。
故にスウェーデン人のお友達はホント沢山います。ほぼ毎週末スウェーデン人のお友達と家族ぐるみで交流を重ねています。
一般論として、「スウェーデンでは友達を作りにくい」なんていうのをSNS等で見かけますが、それは嘘です。
それは移民としての努力が足りてないだけです。所詮我々日本人は、このスウェーデン社会ではよそ者です。よそ者はよそ者らしく、謙虚に自己アピールをし、彼らの社会に貢献する意思を見せながら少しずつ溶け込んでいくべきなのです。
私は内気な性格なんで〜とか言う人は、じゃあその性格変えろよって話です。それが無理なら最初っから海外移住なんてすんなよって話です。社会との接点が作れないなんて地獄のような毎日でしょう。
また、税金だけ払っときゃいいんだろ!と言う人はきっとスウェーデンに限らず海外での生活は楽しめないでしょう。
更には税金を払わない、もしくは今後も払う意思がない人は論外ですね。スウェーデンでその選択肢は事実上ないと言っていいでしょう。いや、在留資格はありますし違法ではありせんから軽蔑するつもりはありませんが、私はそういう人は敬遠しますね。
他の国からの移民で、明らかに他人の家に土足で上がり込んでいるような人達も沢山見かけますけどね…ひとえに「移民」と言っても色々な人がいますので、私は可能な限り移民の模範となれるように今後もスウェーデン社会に貢献し、同時に楽しんでいければと思います。
いやー、結果的に今夜の理事会に参加してホント良かった(^^)
終了後には何人かの人に優しく声をかけてもらいました。やはり前のめりになっていた人達です。
これでだいぶやりやすくなりました。今までちょっと遠慮してたけど、今後はなりふり構わず質問しまくります。
全て子供の為ですからね。子供にスケートを気持ちよく続けてもらうには親としてもきちんとクラブに貢献し、情報を得ながら活動をサポートしていかないとダメだよなーと思っています。
思えば私が小学生の頃に入っていたサッカー部で、私の父親が鬼コーチをやっていたのですが、少しだけ父親の気持ちが分かったような気がします。
父親は息子の為に鬼コーチをやっていたのではなく、チーム全体の勝利の為にあんなに吠えていたのだなーと。おかげでクソ強いチームとなり、当時住んでいた宇都宮市では楽勝で優勝。栃木県大会も3位になりました。
そう言えば、うまいやつの親って必ず熱心に活動に参加してたよなぁ…今日の理事会に来ていた親達を見ていて思いました。この点は日本もスウェーデンも同じですね。
本日は「移民としての心構え」について書いてみました。
↓長女が通うスケート教室。頑張れ長女!パパも頑張ってるぞ〜
■セミナー開催のお知らせ!
スウェーデンへ家族と移住したエンジニアが語る、サラリーマンが海外へ転職する方法
5/19(日)13:30〜15:30@神保町
3月の第一弾に引き続き、来月の一時帰国中にセミナーを開催します。海外移住、転職の仕方について、必要なものを順を追って説明します。
他にこんなセミナーは存在しませんし、書籍もないですしネットにも載っていない情報ばかりです。
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