スウェーデンに家族と共に移住したエンジニアのブログ

娘の教育と妻のキャリアの為にスウェーデンへ移住。

スウェーデンで日本人として働く〜日本との架け橋としてどう活躍すべきか〜

ストックホルムへ家族で移住し、現地企業 Öhlins Racing ABでエンジニアとして働く傍ら、スウェーデン企業への転職・移住サポート事業 LIV INNOVATION (https://liv-i.se)の代表を務める37歳、二児の父親です。

 

 

先週の金曜から一昨日の木曜まで、日本へ出張していました。本業のエンジニアとしての仕事です。

機密の関係で本業の事はあまり書かないのですが、今回の出張は感慨深いものとなりました。

 

我々は自動車部品メーカーでして、大量生産開始直前に納入先(今回はボルボ)から監査を受けて、「はい、生産開始していいですよ」のお墨付きを得ないといけません。

 

お客さんはスウェーデンの会社。製造は日本。その間に私がいて、基本設計や各種耐久・性能テスト、客先との調整業務などを行なってきました。

 

業界の人なら分かると思いますが、大量生産開始直前というのは自動車開発において最もシンドイ時期です。私が勤めるスウェーデンの会社に他に日本人はおろか日本語を話せる人は一人もいないので、必然的に架け橋的な役割を担うことになります。

 

最後のまとめの挨拶で客先から「非常に感謝している」と聞いた時はジーンと来ましたし、今までの苦労を一つ一つ思い返していました。

 

でももう次のプロジェクトが始まっているのでボケっとしていられません…トホホ。

 

というわけで、海外でサラリーマンをやるのであれば日本と関わりのある会社を探すと活躍の場が広がるかもしれませんね。

 

但し、海外企業は日本の常識は分かってくれませんし、日本企業は海外の常識なんぞ知ったこっちゃありません。

その板挟みの中でいかに価値を示せるか、これは相当難しいことです。

 

週明け月曜に上司との年に一度の面談がありますが、私が苦労して成し遂げて来たことを正当に評価してもらうことは至難の業なのです。

 

例えばスウェーデンでは5分で済むことが日本で同じことをやろうとすると何週間もかかったりすることがあります。(いや、ホントに…涙)

 

しかもこれが理屈では説明できないときが多々あるんです。日本では「そういうものだから」で暗黙の了解で納得してもらえますが、スウェーデン人からすると「え?なんで?全く分からん」となるわけです。そりゃそうです。でもこれを説明するのってホント面倒くさくて、短期的には生産性の無いことなんです。

 

日本で数週間かかることを数日に短縮できたら、日本では業務表彰の一つでももらえるかもしれませんが、スウェーデン人からしたら「いやいや、だからそんなの5分でできるっしょ」と、何の評価にも値しません。

 

こんな時、

「ボク、こんなに頑張ってるのに!みんな分かってくれない!プンプン!」

と言っても誰も評価はしてくれません。まずは会社が求めている結果を出すことが最優先ですし、こんなのは当たり前のこと。その後の美談として、実はこんな苦労があったんだ、という順番で話さないとタダのうるさいヤツになってしまいます。

 

見えない苦労を可視化し、正当に評価してもらうべきなのですが、これをやるには時間がかかります。ですからある程度のところで見切りをつけないといけません。

(日本人が上司でも同じことですけどねw)

 

架け橋という存在は、橋を渡る人が何の不安もなく渡れるようにすることが使命なのです。影武者として縁の下の力持ちとしてスウェーデン、日本両国の会社を支えていくだけの根性が必要です。時に心が折れそうになりますが、然るべきタイミングで程よく主張をし、正当に評価をしてもらえることがポイントです。

 

黙々と頑張っていたって評価されません。自分で適度にアピることが基本です。

 

幸いにも私の上司はとても理解があり、私の主張には懇切丁寧に耳を傾けてもらえ、そして期待以上の評価をくれます。

 

ちなみにスウェーデンにだって定期昇給的なものがありますよ。私が勤める会社では個々の業績に応じて0〜2%の範囲で増え幅が決まります。なので残念ながら全く増えない人だって結構います。

 

私はこれまでの3年間、毎年上限に近い増え幅をもらえてきました。

これは不断の努力によって会社の業績を伸ばしたことへの対価であって、俺スゲーっていう話ではありません。やるべきことをきちんとやってきたので当然の評価だと思っています。

この一年はこれまでの3年間で最もキツく、そしてこれから業績がドカンと伸びる予定です。ですからこれで昇給が無かったらストライキでもやるか辞めますねw

 

とにかく週明けの面談が楽しみです。2時間あります。その後昇給の額が確定したら再度1時間程の面談があります。

 

日本企業のやり方とあまり変わらないんじゃないですかね。

 

でも中身はだいぶ異なります。けっこう激論になります。

例えば私は、私の視点から会社の方向性について意見を出したり、私が率いているチームの今後の戦略を提案したりと話題は尽きません。

 

年功序列も終身雇用も無いのでホントに実力勝負です。なのでこうした面談は万全を期して望みます。

 

日本企業だって色々あるかと思いますが、私が働いていたホンダの面談では、「なんであの人が先に出世するんですかー」って聞いても「まぁまぁ、彼の方が入社が先だから…」って真顔で言われた事があります。

 

やる気無くしますよねー。

 

いやー、しかし勇気を持ってホンダを辞めてから人生が良い方向にしか転がらなくなりました。やはり自分を信じて行動し続けることが最も後悔を産まない生き方なんだなーなんて思います。

 

今は特に自分の人生に対して疑問に思うことがありません。もうちょっとでかい家が欲しいなーぐらい。いや、別荘買うからいいか…

 

さて、天気が良いので近くの湖のほとりで鍋をします。と言ってもラ王を茹でるだけ。野菜を切らないと…

B級グルメを外で食べるとA級グルメになることを発見しました。

 

そんな感じで今回はちょっと語ってみました。

 

 

以下、今回の出張の写真。

 

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富士山を背景に。

 


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同僚は家系ラーメンにどハマり。2人でストックホルムにラーメン屋を出そうかと画策中w

 


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こちらもラーメン屋。

 


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こちらは成田到着直後に食べた三年ぶりの吉野家。これで560円とか安過ぎる。ストックホルムなら倍以上取れるクオリティ。

 


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友達とはほとんど会う時間がなかったが、日本に来たら必ず会うスウェーデン人の友人ともラーメン屋。

 


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滞在先ホテルで時差ボケで夜中に目が覚めて、午前1時にジョナサンで食べた酸辣湯麺。

 


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たまには家系じゃない王道のヤツも。

 


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実家のバルコニーからの眺め。桜が満開でした。

 

 

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http://sverigeyoshi.hatenablog.com/entry/2018/08/09/201519

 

 

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中部経済同友会様に「スウェーデンの労働環境とその実態」のレクチャーを行った際のレポート

https://liv-i.se/817/

 

 

 

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