ストックホルムへ家族で移住し、現地企業 Öhlins Racing ABでエンジニアとして働く傍ら、スウェーデン企業への転職・移住サポート事業LIV INNOVATIONの代表を務める1981年生まれの38歳、二児の父親です。
ツイッターにも投稿したんですけどね。
スウェーデンに移住して変わったこと
— 吉澤智哉 / 移民@🇸🇪 (@livinnovation) 2019年7月2日
「正論を堂々と言えるようになった」
日本で働いていた時は正論を言っても"そうは言っても〜"とか言われて前例踏襲主義で潰されちゃうが、こちらでは"正論を唱えつつ合理的に進めていける"ことが評価される。
私は、スウェーデンに来てからほとんど正論しか言ってないと思います。「そうは言ってもさぁ」のような前例踏襲主義を喰らって不愉快な思いをする機会は日本にいた頃と比べて極端に少なく感じます。
"前例に習いミスなくやりましょう"という精神性ってつまりは誰かに怒られたくないからじゃないかなと思ってます。もしくは新しいことにチャレンジしたところで面倒なことに巻き込まれたくないとか。実際に私は日本で働いている時にはこのよう感じていました。
スウェーデンで暮らしていると、私自身が上司なりに怒られることがないですし、公の場で親が子供に怒っている姿もあまり見かけません。
そりゃ時々怒っている人を見かけますけどね、だいたいがパッと見た感じ外国の方がいつも怒鳴ってるかなーと。
(あ、コレ人種差別って言われちゃう)
娘達が通う就学前学校を見ていても思うのですが、先生はみんな穏やか。子供達は文字通りのびのーびしています。
これが職場でも感じられます。みなさんのびのーびしています。でも緊張感がないのとは違います。なんだか誰かにビクビクしていないというか…
私は日本で働いていた頃、毎日ビクビクしていました。当時の上司やその他お偉いさんにネチネチとダメ出しを食らうのが本当に苦痛でしたね。ですから設計をしたり図面を描いたりする時に、頭の中は「どうやったらネチネチ言われないか」という思考回路だったのです。となると保守的でつまらない物ばかりが出来上がるんです。それはそれで文句を言われるんですよ、「おまえはセンスが無いよな!」って。
(ホント辛かった…辞めてなかったら間違いなく鬱病でしたね。一歩手前まで行ったし。)
ところが、今は設計や図面を描くことはあまりしなくなりましたが、水を得た魚のように純粋に仕事を楽しんでいます。日本にいた頃の自分と比べると明らかにクリエイティブになったと思いますし、新しいことにバンバンチャレンジできていますし、自分の実力を思う存分発揮でいているとも感じています。そしてそれが毎年の昇給(当たり前ではない)につながっているので自分の感覚はズレていないということでしょう。
現在のスウェーデンの会社で3年ほど働いてきましたが、一日たりとも会社に行きたくないと思ったことはありません。
毎週、「えっ!?もう金曜日!?」という感覚です。また、サザエさん症候群のようなものもなく、日曜の午後になると「よし!明日は仕事だ!」という気持ちにさえなります。
このマインドを保てるのはとにかくミスを恐れていないから。毎日「アレをやりたい、コレをやってみたい」と思え、実際にチャレンジができる環境も整っています。日本にいた時は、「ミスを恐れるな!失敗を積み重ねてこそ%$<♪〒>…」と会社は唱えているものの、いざ失敗するとボロクソに叩かれます。
スウェーデンに来てからだって幾度となくしょーもないミスを重ねてきましたが、誰かに詰め寄られて「再発防止策を考えろー!」みたいなことはまずありません。
例えばプレゼン資料の誤字脱字のようなしょーもないミスなんて大勢に影響はないわけで、それを他人がいちいち指摘したからといって特にメリットがないんですよね。
ただそれが全く意味や解釈が異なるようであれば、それはきちんと指摘が入りますが、「何をやってんだ、緊張感が足りないんじゃないか!?」のような人格否定を公の場面ですることは絶対にありません。
こんなことをやったらクビになると思います。いや、こういうことをやってる人を見たことがないので実際にどうなるのかは分かりませんが。
緊張感が足りてなかったのかどうかは本人にしかわからないことですし、どうだって良いのです。こちらの文化ではミスを適切な形で指摘するだけで、あとは指摘された本人次第です。
ストイックな人は同じ過ちを繰り返さないですし、そうでない人も多数存在します。いや、当初は本当に面食らいました。同じミスばかりする人がけっこういたので「この人たちやる気あんのかな?」と。
ただ、まあ大勢に影響はない場合がほとんどですし、そういう人達の仕事への取組むスタンスはまぁそんなレベルなわけで、そこはもう否定のしようがないんです。
ですが、ここスウェーデンでは「仕事だけが人生ではない」とみんなが本気で思っているので、そういうぬるいスタンスでもまあ仕方ないか、という感じです。趣味の話になると目をキラキラさせて話をします。仕事もこのノリでやってほしいのだが。しかし、こういう方々の考え方を否定してはいけないのです。
(でも未だにこの部分で最も苦労しているが…)
とにかく、ここ3年ちょっとは今まで14年の社会人経験で最も"楽しい"と言えます。そしてなんと言っても同僚や上司に恵まれています。本当に人間的に成熟した人達と働いているのでストレスが溜まらないのかもしれません。
私が一番子供っぽいなー…
と、毎日楽しく働けていますよって話でした。
ではでは。
■ このブログを書いている人
自己紹介 - スウェーデンに家族と共に移住したエンジニアのブログ
■ 日系企業・大学によるスウェーデン現地視察・リサーチをお考えの方へ
これまでストックホルムにて講演やインタビュー等数多くのご協力をさせていただきました。
取材等のご相談はお気軽に tomoya.yoshizawa@liv-i.se までご連絡下さい。
(私からの返信が迷惑メールに分類される場合がございますので、メール送信後数日経過しても返信が無い場合は迷惑メールやスパム、Junkフォルダ等をご確認下さい)
ご協力の一例
【活動報告】中部経済同友会様に「スウェーデンの労働環境とその実態」のレクチャーを行いました | LIV INNOVATION
■スウェーデン移住にご興味があるお方
お問合せはこちらをご覧になってからどうぞ。
〜本ブログについて〜 - スウェーデンに家族と共に移住したエンジニアのブログ
あなたのスウェーデンへの移住を実現させます