ストックホルムへ家族で移住し、現地企業 Öhlins Racing ABでエンジニアとして働く傍ら、スウェーデン企業への転職・移住サポート事業LIV INNOVATIONの代表を務める1981年生まれの38歳、二児の父親です。
今日は子供にとってのスポーツの話を無理矢理飛躍させて私の会社での体験につなげていく話です。
フィギュアスケートの教室に通う6歳の長女には好きなスポーツを通じて大人になっても運動を習慣にしてほしい。
— Tomoya Yoshizawa (吉澤智哉) 🇯🇵⇨🇸🇪 (@livinnovation) 2019年9月7日
例えばスウェーデンでは子供達のマラソン大会で順位をつけない。そんなことをしたらビリのヤツは一生走らなくなる。
スポーツは楽しいもの。 pic.twitter.com/oatT60gCas
上記ツイートの通り、スウェーデンでは特に子供達の間で何かしらの競技を行いその結果に順位を付けるというのはご法度です。
もちろん例外もあります。例えば長女が自分の好きでやっているフィギュアスケートの大会に出たとしたらそれは順位が付きます。それは自らが望み、採点をされて順位を付けられる競技を参加することを選んだからです。
順位が付かない、もしくは付けていけないのは学校行事です。
長女が通い始めた小学校(便宜上分かりやすく小学校と表現しているが実際は小中一貫で0年生から始まり10年間通う)では、近々森の中を走るマラソン大会のようなイベントが開催されます。
学年によって距離が異なるようですが、共通するのが"順位は付きませんよ"とお達しがでていることです。
↓こちらがアプリに届いた文章の一部
Skoljoggen är ingen tävling utan en manifestation för idrotts- och löparglädje.
(学校のジョギングは競技ではなく、スポーツとランニングの楽しみの現れです。)
*Google翻訳より
さてさて、何故順位を付けないのか。
日本でも「ナンバーワンにならなくてもいい、元々特別なオンリーワン」ってSMAPが歌ってましたよね。
ですが、これも何か違う気がします。
別にオンリーワンにだってならなくていいんですよ。
差別化?個性を発揮?
これじゃ結局他人と比べているというか、他人を意識してませんかね。何故そうやってすぐに他人より優れようとするんですかね…。小学生の段階でそんな大袈裟に考えなくていいと思うんですよ。
今回、学校主催のマラソン大会では子供達に走る楽しさを教えたいというのが第一の目的だと私は思っております。
日本でよく聞く"自分との戦い"ではないのです。
(マジ戦争かよ…)
では子供達に走る楽しさを教えて何になるのか。それは大人になった時にも走る楽しさを忘れないようにさせたいのです。
運動って大切ですよね?でも大人で運動不足の人って多いですよね?
(私もそうだ…)
つまりゴールはココにあるのです。
「大人になった時に運動が習慣になるように」
これを子供達に学校教育で学ばせたいわけです。これが体育の授業が存在する理由なのではないでしょうか。
現に、これは私の体感ではありますが、友人知人同僚を見渡すと走ったり自転車に乗ったりと非常に多くの人が身体を動かすことを習慣としています。昼休みに外へ何キロも走りに行く同僚も何人もいます。
私の隣の57歳のおじさんも平日に一回と土日と週3回はマウンテンバイクに乗っています。
以前から思っていたんですよ、なんでスウェーデンの人はこんなに運動好きなのかなーと。
その原点はこの学校教育に隠されていたのかもしれません。
(いや、大袈裟かな…?)
まもなく開催されるマラソン大会ですが、長女はあまり長距離を走るタイプではないのではないかと思っています。
もしかしたら当日は序盤から歩き出し、ヘラヘラと笑いながらお友達とおしゃべりを始めるかもしれません。その過程で道端に咲く花やキノコに目が行き寄り道もするかもしれません。
ですが、これも一つの立派な森の楽しみ方であり、必ずしも森の中を走る必要もないわけです。
そしてマラソン大会なのに走らなかったからといって先生に怒られるようなことはありません。走らない自由だってあるわけですからねぇ、そこは尊重してあげましょうよ。
仮に、このマラソン大会に順位が付くとなると、ビリになった子は一生忘れられないのではないでしょうか。トラウマとなり、そしてマラソン大会には2度と出場したくなくなるでしょう。
一位になれた子は自尊心が芽生え、それは大きなメリットかもしれません。二位だった子は喜ぶか、一位になりたかったと悔し涙を流すかもしれません。
それぞれに良い経験を与えることは否定しませんが、もともとマラソン大会に興味を抱かなかった子供達や下位となってしまった子供達にとってはどうなんでしょう。
とにかく、スウェーデンに来てから感じるのは
「頑張った結果報われる」
という日本では当たり前のベースの考え方が存在しないことです。
そもそも"頑張る"の直訳はスウェーデン語でも英語でもパッと出てきませんし、これって日本語の独特な表現です。
(頑張ってね!→Good luckが一番近いのでは!?)
かと言ってスウェーデン人は全く頑張らないかというとそうではありませんが、少なくとも私が言えるのは
「合理的な根拠が無いのに頑張ることはしない」
ですね。
とりあえず頑張れ。いいからやれ。
という精神論丸出しはこちらではダメなんです。何故それをやる必要があるのかの説明を求められます。
私も会社で自分のプロジェクトチームを動かす時は背景と理由とリスクを丁寧に説明します。
「あなたがコレをやらないとこうなる」
をすごくすごーく丁寧に説明します。
ここをサボるとその相手のモチベーションに大きく影響するからなんです。
逆に納得してもらえると"頑張って"くれます。
結局思い通りに動いてくれないことが多々あるのですが、それは彼らが悪いのではなく、私の説明不足に原因があるのです。
「仕事なんだからちゃんとやれよ」
というのはこちらでは通用しません。
"訳が分かんないからやらない"権利だってあるのです。
会社の中で上の立場として仕事をする場合は日本企業の方が楽で良かったよなぁと百万回も思います…。
日本では、
「オイ!コレやっとけ!」
で済みますからね。
「えー、なんでこんなんやる必要あるんすか!合理的な根拠を提示してくださいよ!」
なんて言われませんからねぇ。
と、飛躍しまくったところで本日は終了。
本日はストックホルム都心へ。
ホンダ時代の同期が私の勤める会社へ出張で来ているので観光案内。2人ともホントにオッサン。
前回の記事で元同期の悪口を書いたばかりだが、この彼は例外。この人は愚痴を吐くことなく、仕事上のなかなかすごいアップデートをしてくれるので生産的で良い奴!
入社式直後から始まった夜勤もある工場実習も一緒で文字通り同じ釜の飯を食った仲。順調にホンダ内でキャリアを築いている模様。いいね。
さて!明日は月曜日!働くぞー!
ではでは。
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日本テレビに出演し、スウェーデンのキャッシュレス社会について解説しました | LIV INNOVATION
【活動報告】川崎重工様のスウェーデン視察をサポートしました | LIV INNOVATION
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【活動報告】中部経済同友会様に「スウェーデンの労働環境とその実態」のレクチャーを行いました | LIV INNOVATION
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