毎年3月1日にこのタイトルでブログを書いてきたけど今年は5日遅れとなってしまった。
一昨年まではきちっと1日に書いていたのだが、ここ2年はすっかりと忘れてしまっていて、アレ?そう言えば丸7年だわ、と思い出す感じとなってきた。
つまり3月1日への思い入れは何年薄れているということ。
この一年で起きた出来事は、これまた毎年年末に書いているブログで振り返っているので割愛する。
まあ敢えてハイライトをするとなれば昨年夏にスウェーデン国籍を取った事と昨年9月に新居へ入居した事は、7年間のスウェーデン生活の中でも最も大きな出来事の部類に入ることは間違いない。
仕事も順調過ぎるしプライベートも何一つ問題が無い。これは本当にすごい事だ。ここ最近、長年やろうやろうと思って手をつけていなかった事を全てやり切った。
例えば投資信託を始めるとか電力会社との契約を時間毎に変わる変動型に変えようとか、紙で来る請求書をオンラインや自動引き落としに変えるとかとか。
一つ一つが地味な作業で面倒で、別に先延ばしにしても特に大きな悪影響も出ないしなかなかやらなかった。だが新居に引越して半年が経ち、家の細かいトラブルシューティングも終わってやっとこういった細かいやる事リストに手をつける気になった。そうそう、新築であっても細かい調整や施工主の間違い等あり、それなりにやる事があるものだ。
もうこれ以上望むものはない。社会的地位も今のままで十分。これ以上偉くなりたくない、というかなってたまるかというのが正直な気持ち。偉くなってしまうとこの家でストレス無くくつろぐ時間を邪魔することになるからだ。
昔乗ってた趣味のバイクにでも乗ろうかと、最近ネットサーフィンを延々と続けているが、金利上昇、物価高に加えて電気代がクレイジーに高騰し、それどころではなくなった。何もしなくても一年前と比べて15万円ほど支出が増えた。
幸いな事に妻が最近家の近くで仕事を見つけた為に車が2台も必要ではなくなった。1台手放したことで毎月かなりの余裕が出るようになった。ここから更に金利が上がろうと家を売る事にはならないだろう。また、まもなく昇給のタイミングだが、今年は物価高騰に合わせてガツンと上がるようなので期待している。
ここ最近は何の不安も無く、考え事もする必要なく、家族みんな元気で毎日のほほんと過ごしている。最近の趣味はリビングの薪ストーブを炊きながらビールを飲むこと。
先日の健康診断でやれコレステロールが高いだの血糖値が高いだの尿酸値が高いだのと言われてしまった。なのでここ数ヶ月は水泳を始めた。まだ死にたくない。
と、まあ、これ以上望むものはないという境地に達してしまったせいか、ここ最近は働いていてあまりガツガツしなくなってしまった。以前は正義をかざして色々な人と衝突していたのがサッパリと無くなってしまった。今までは100点を目指してきたが、別に85点ぐらいで良いのではとも思うようになった。すると心に余裕ができたのか、周りの同僚を励ます事が多くなった。私を頼ってくれる人も増えた。もちろん永遠に気が合わない人もいるが。
スウェーデンでの生活を始めてから、立派な家に住む事を目標としてきた。それが叶ってしまった今、こんなにも自分が変わるものかと日々自覚している。立派な家と言っても、別に我家は豪邸でも何でもない。スウェーデンでは中産階級の普通の家だ。薪ストーブなんて珍しくないし、同僚の家にはサウナやプールが付いている事が珍しくなく、彼らの家に比べればちっぽけな家だ。
それでも100%納得している。それは私と妻が苦労の末に辿り着いた象徴だからである。2階建てなので残念ながら終の棲家とはならないだろう。年金暮らしとなったらフラットなアパートに引っ越すことになるのだろう。するとこの家に住めるのは後30年ぐらいか。きっとこの先の30年なんて一瞬で過ぎていくことだろう。現にこの10年は5分ぐらいに感じるし。5分は言い過ぎか。
とにかく、我々のスウェーデン移住の決断は正しかった。スウェーデン国籍を取得するぐらいこの社会には納得できているし感謝もできている。日本は二重国籍はダメなので、自動的に日本国籍を放棄することとなったが1ミリも迷うことはなかった。
国籍取得の理由詳細は↓で書いているので割愛。
2022年を振り返る - スウェーデンに家族と共に移住したエンジニアのブログ
7年前、もしスウェーデンに来ていなかったどうなっていたのだろう。東京の板橋に新築のマンションを買っていたのだが、先日ちらっと中古物件の値段を調べてみたら、私が買ったマンションと似たような物件が6000万円超えで売りに出ていた。ウソだろ、私が買った時は4000万だったのに・・・。
ということは今もそのマンションに住んでいたとして、仮に売却をしたら2000万円も設けられることになる。税金もかなり取られそうだが。となると子供達の学費はそこから工面できたかもしれない。まぁだいぶ郊外への安い物件に住むことが条件とはなるが。
もしあのままホンダやBMW Japanに勤めていたら今頃1000万円ほどは稼げていただろう。なので経済的に苦慮することはなかったかもしれない。
だが、一カ月の夏休みもなければ子供と過ごす時間も取れなかっただろう。子供達は塾に通い、今のスウェーデンでの暮らしのような伸び伸びとした環境は無かっただろう。
やはりどう考えてもスウェーデンに来て正解だった。
夏休みは1ヵ月、いや、別に1.5カ月でもいい。夏休みは自分で自由に作れば良いのだ。会社に面倒なヤツはいないし、とにかくみんな優しいし、どこを取っても日本に帰りたくなる要素は見当たらない。
現在41歳。これまでよく頑張ったと思う。ここからは惰性で生きていく。もうこれ以上望むものは無い。子供達と、カミさんと、時には喧嘩もしながら毎日楽しく暮らしていければそれでいい。