スウェーデンに家族と共に移住したエンジニアのブログ

娘の教育と妻のキャリアの為にスウェーデンへ移住。

スウェーデンでの究極の節電方法。一時間毎に変動する電気料金契約とEV充電ボックスの話。

Honda e 35.5kWhのバッテリーを積むBEV

 

今回の話はスウェーデンでこれからEVに乗ろうかな、でも電気代が心配だなという人にとっては完璧な内容となりますが、日本に住んでいる99%の人達にはどうでもいい話ってぐらいニッチな内容になります。

 

スウェーデンに住んでいる日本人でそれなりに住宅事情や電力事情を理解している人でないと伝わらない内容となるのでその点はご理解ください。スウェーデンでしか通じない用語もバンバン登場します。

 

・EVに乗る

・Värmepumpヒートポンプにスマートモードがある

 

この二つが揃えば、私がやることと同じことをすればもしかしたら冬場のピーク時の電気代は半額近くまで抑えられるかもしれません。

 

12月分の電気代が5300krでしたが、それでもEVを絶対にやめない理由は↓の通りです。電気代高いからEV辞めておこう・・・なんて思っちゃう人は情報収集能力が足りないので、EVは難しい乗り物となっちゃうでしょう。

 

さて、電気代が高過ぎでさすがにこれは何とかしたいです。しかし、まず、何ができるかを知らないといけません。住んでいる家の環境でできる事とそうでない事があります。例えば集合住宅でBRFの場合は自由に充電ボックスも設置できないし、BRFが理事会で決めないといけません。

 

我家はBRFですがRadhusで、充電ボックスの設置は勝手にやれと言った感じです。設置にあたっては一応BRF Styrelsenにメールで連絡をしました。字面を掘ったり家の壁に着けるなら勝手にやらないでまた連絡してねって感じでした。ヒートポンプもスマートモードがあるし、我家にはまだまだ節電の選択肢があるのでやってみることにしました。

 

Laddbox充電ボックスとはこれのこと。コスト面もそうだが、安全面でもあった方が良い。通常のコンセントからでも十分ではあるが、2kWもの高出力を何時間もぶっ続けで使う想定はされていない。最悪の場合火災につながるのでやはりLaddboxがあった方が安心。

 

なので、この話はVillaかRadhusに住んでいる人で、充電ボックスが設置可能な人にとって役に立つ話となります。

 

12月分の電気代は5300krで、使用料は1070kWhでした。123平米の家で子供が二人、時々湯舟に入っちゃったりしたのに優秀です。それに毎日EVを10kWhちょっと充電したので超優秀です。まさにエコ住宅。さすが新築。そうなんです、新築なんです。だってEVを除けば700kWhぐらいですからね。すごいすごい。同僚はみんな2000kWhとかそれ以上の人が大半でした。まぁみんなどでかい戸建てだから単純比較はできないんだけれども。

 

まぁしかし、5300krは相対的に安いとはいえ、これは何とかしたい。というわけで一時間毎に電気料金が変わるTimprisに変えることにしました。これまでVattenfallと毎月の平均額が適用されるRörligt契約でしたが、これを辞めることになります。Rörligtってややこしいネーミングだなと思います。一時間毎に変わる契約こそRörligtだと思うんだけどな。

 

それはさておき、Timprisは2月20日から始まります。Uppsägningstidが1ヵ月なもんで。なげーよ。Timprisの会社はTibberです。何故か?周りでTimprisにしている人は全員もれなくTibberだから。何やらアプリがイケているらしい。Tibberの友人の一人に紹介されて500krのボーナスをもらえました。

 

とにかく、Timprisの利点は夜中の電力需要が極端に少ない時間帯に電気代を食うものフル回転させればよいという作戦です。で、この効果を最大限出すにはEVに乗ることとスマートモードを備えたヒートポンプがあることが条件です。

 

以下、私がやったこと。

 

1. Tibberアプリダウンロード

 

2. Tibberと契約をする

・Tibberが勝手に現電力会社に連絡を取って契約開始の日付を連絡するとなっていたが数日経っても音沙汰ないので、結局自分からVattenfallに契約解除を申し出て、Tibberアプリ内で契約開始日を入力した。

 

3. 充電ボックス、ケーブル、Pulsを購入

・これらはTibber経由で購入。先ほどの500krボーナスが使えるから。

・充電ボックスは二社あるがEaseeにした。みんなEaseeだから。

・ケーブルは3相対応の5mにした。実際に使ってみて、もうちょっと長くてもよかったかも。

・Pulsは3相交流の負荷状況をリアルタイムでモニターし、限界付近になったら充電ボックスの出力制御をしてくれる優れもの。EaseeがEqualizerというバランサーを売っていて本当はそれにしたかったが、Tibberアプリに対応しておらず。周りでも誰も使っていないのでみんなが使っているPulsにした。Pulsはバランス機能は無し。ただただ充電ボックスの出力に制限をかけるだけ。でもこれで十分。

3つでこの値段。2023年1月時点では国から製品代と設置費が半額の補助が出る。

 

4. メールが来るのでリンクから設置工事に関する質問を30個も答える

・要は設置場所がどんな環境なのかを工事業者が知りたい

 

5. 業者が設置工事に来る

・3日後ぐらいに来た。奇跡的に早い。インフレで暇なのかな。

 

6. Vattenfallに連絡をしてメーターのHABポートを開放してもらう

・これをやらないとPulsが機能しない

・Vattenfallにはなかなか電話がつながらない

・チャットしても返事は一週間後

・メールも同様

・こういうとこってマジ〇ソだと思う。最初っから解放しとけよ。

・Tibberが始まってなくても電力使用状況のモニターは可能

 

7. Tibberの契約が始まるのを待つ

・この間に色々シミュレーションをしておくとよい。食洗器、乾燥機、その他電力消費が激しい家電のタイマー機能を試す。

 

8. Tibber開始

・ヨッシャ

・直ちに8と9を行う

 

9. Värmepumpヒートポンプのスマートモードに切り替え

・ヒートポンプは3相を使うのでかなりの電気を食う。前述の1070kWhの内、300kWhがEV。残り700kWhの内約半分がヒートポンプなので、電子レンジとかドライヤーとかそんなものをチマチマ節約してもほとんど効果が無い。

・ポンプをスマートモードにすると、ポンプはネットに繋がっているので、自動的に電気料金が安い時間帯に効率よく働いてくれる=コンプレッサーが作動する。

・特に外気温が氷点下5℃ぐらいよりも低いとTillsatsモード、つまりElpatronとなり電力消費が激しくなる。こういう時にスマートモードは大活躍となる。

・ちなみに我家のポンプはNIBEのF730でFrånluftvärmepump排気ヒートポンプ。理屈の上だとリビングで薪ストーブを焚いて温度上昇分のエネルギーがポンプを助けることになる。なので外気温が低い日ほど薪ストーブを焚きまくってる。

 

10. 充電ボックスもスマートモードへ

・これは未確認なので分からないが、おそらくこういう設定ができるはず。後日同僚、友人にやり方を聞いてアップデートします。

・もしスマートモードが不可能、もしくは複雑で面倒なら車側でタイマーを設定すればよい。だいたい電気料金は23:30-05:30で激安となる。日によるがほとんど無料じゃん!っていう日も少なくない。

・予測では1000km走るのに100krほどになるはず。ガソリン・ディーゼル車に比べたら10分の1ぐらいのコスト。信じられないほど安い。安過ぎる。

 

というわけで、ポンプとEVで巨額の節約が可能なはず。実際に周りの同僚や友人で実績があるので間違いないだろう。

 

何故今までやらなかったのか。

1. 12月分の請求が来るまでは別にそんなに電気代が高くなかったのでまあいっかと思っていた

2. Timprisにすると常にアプリを見てリアルタイムの電力使用量を気にすることになり、場合によっては家族に「今は電気使うな!」とか言って家庭内不和が起きそう

 

と考えていたが、1070kWhの内、EVの300kWhとポンプの350kWh、つまり650kWhがザックリと半額になればメリットの方が遥かに大きくなる。湯船につかるのは週末や、電気代がやたらと安い日にやればよい。他はタイマーを習慣にすればよい。

 

さて、これでどうなるか楽しみ。

 

ここからはTibberアプリの素晴らしさを紹介。

ホーム画面。好きな機能追加可能。左上が現在の電気料金。右上がPuls。

 

 

 

現在の電気料金が表示される。昨日の夜中の3時なんて3Öreでほとんどタダじゃないか!!つまりこの激安の時間帯に一気にドカっとEVの充電をしてしまえばいいのだ。でもそれをやるには出力をドバっと増やせないといけない。だからLaddboxなりPulsなりが必要となってくる。寝ている間に現代のテクノロジーが勝手に働いてくれるということだ。すごい時代だ。EV充電の上限電流をギリギリの20Aに設定する。もしヒートポンプや乾燥機等と電力の食い合いになり、いよいよブレーカーが落ちそうのなった場合はPulが指令を出してLaddboxの出力を抑えるということ。ヤバい。先進的~。

 

 

 

過去1時間の電力使用状況。ピョン!と立っているのは電子レンジか何かを使った時。

 

 

こちらは過去24時間。昨日の夜中の長時間の消費がEV充電。電子レンジを5時間ぶっ続けで使っているのと同じぐらい電力消費していることが分かる。ヒイィ。でも大丈夫。夜中の激安の時間帯だから。

 

 

こちらは過去1週間。

 

 

こちらはPuls。3相の負荷状況が見れる。Honda eは3相対応ではない(なんでだよ!)のでL1(Phase 1)しか使わない。L1は他の多くの家電が繋がっていて、EV充電中にHällを最大出力にすると20Aまで達する。するとPulsはEV充電の出力を落としてくれるという事。まじ優れもの。ホントはL2とL3ががら空きなんだからそっちに負荷を振り分けてほしいのだが。それをやりたいならEqualizerが必要。しかしTibberアプリでリアルタイムで見れない(らしい)。別に見れなくてもいいっちゃいいのだが、やっぱり見たい。

 

 

メーターのHAB(スウェーデンなら大抵RJ12)にケーブルを挿してPulsを設置。マグネットなので鉄ならどこにでも付く。素晴らしい。Wifiが届かないといけない。黒くて緑色のランプが点灯しているのがPuls。

 

 

これを書いている2月9日時点でまだTibberは始まっていないんだけれども、それでももうずっとTibberアプリを開いては「今の電力使用どれぐらいかな」とか「3相の負荷はどんなかな」とか「今日と明日の電気代はどれぐらいかな」とずーっと気にしています。もはや病気です。

 

同僚、友人のTibberユーザーはみんな同じ。先日、会社にTibberユーザーが偶然3人集まり、みんなでアプリの見せあいっこをひたすらやってました。いやー楽しい。

もはや節電をしているという感覚に無く、ゲームをやっている感覚に近いですね。特に理系男子に激おススメ。

 

趣味、節電。いや、趣味Tibberって感じです。

 

おそらく、スウェーデン在住の日本人でEV事情、充電ボックス、Tibberに最も詳しくなったと思います。

 

スウェーデン在住の方でEVに興味があったり充電ボックスの設置で悩んだり、Timprisに興味がある人は連絡ください。連絡手段はTwitterのDMなりYouTubeの概要欄に貼ってあるメールなりからどうぞ。

 

さて、今からこれやるぞ。ポカポカ。