スウェーデンに家族と共に移住したエンジニアのブログ

娘の教育と妻のキャリアの為にスウェーデンへ移住。

スウェーデン人は何故英語を話せるの?

ストックホルムへ家族で移住し、現地企業 Öhlins Racing ABでエンジニアとして働く傍ら、スウェーデン企業への転職・移住サポート事業 LIV INNOVATION (https://liv-i.se)の代表を務める37歳、二児の父親です。

 

 

明日からイースターで4連休です。ところで、スウェーデン語でイースターはpåsk(ポスク)といいます。

 

本日は午前中に一つミーティングをこなし、同僚と近くのレストランのテラス席で超長いランチ。

 

13時には子供達を迎えに就学前学校(スウェーデンは幼保一体)へ行きました。

子供達(長女もうすぐ6歳、次女もうすぐ2歳)の様子をしばらく観察したいので2時間ほど滞在。

先生と会話したりブランコに乗せて押してあげる人をやったりしながら我が子達が遊ぶ姿を見ていました。

 

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帰りに寄った湖。ちょうど対岸に就学前学校がある。

 

 

いやーしかし、長女はスウェーデン語をペチャクチャと話します。2歳半で移住してきた当初は一言も発さなかったのに大したものです。

既に日本語とスウェーデン語のバイリンガル。その内英語も勝手に身に付くのでトライリンガル。学校で外国語を一つ習うので、うまく行けば4つ目。

このようにスウェーデンでは複数の言語を話せる人が少なくありません。

 

例えば私の友人・同僚で複数ヶ国語を話す人は以下の通り。

 

友人1 いつも遊ぶご近所さん

ポーランド生まれ、10歳でドイツへ移住、20歳の時にスウェーデンへ移住、大学でフランス語を勉強

→ポーランド語、ドイツ語、スウェーデン語、英語、フランス語

 

同僚1 隣のおじさん

生まれも育ちもスウェーデン、数年間ドイツで働いた経験あり

→スウェーデン語、英語、ドイツ語

 

同僚2 家で馬と鶏と犬を飼ってる人

スウェーデン生まれスウェーデン育ち、母がオランダ人

→スウェーデン語、英語、オランダ語

 

 

日本では英語が話せるとなると「お〜すげ〜!」となりますが、スウェーデンでは3ヶ国語ではまだまだですね。

4ヶ国語を話してやっと「へぇ〜、すごいね」と言った感覚でしょうか。

 

でも欧州の言語というのは結局どの国も似たようなアルファベットを使っているので、どれも親戚のようなイメージです。

 

ですからスウェーデン人が英語を学ぶのと日本人が学ぶのとでは難易度がまるで異なるので同じ土俵で比べてはいけません。

 

スウェーデンは英語を母国語としない国民の英語力世界一だそうです(適当にググれば沢山出てくる)。どう統計を取ったのかは知りませんが、まあ上位であることは間違いないでしょう。こちらで生活していて、英語を話せない人にはほとんど出くわしません。

 

よく、「スウェーデン人ってなんで英語が上手なの?」と聞かれます。

 

私の回答は以下の通りです。

 

1 アルファベットがほぼ一緒

 

2 文法も似ている

 

3 発音も似ている

 

4 スウェーデンは英語が身近

 

 

1〜3は想像がつくでしょう。

 

4つ目をもう少し説明します。

 

スウェーデンは人口が1000万人程の国ということもあり、例えばスウェーデン発の歌手は最初から英語で歌います。

 

スウェーデン語で歌ってしまうと対象はスウェーデン人のみとなるのでミリオンヒットは絶望的でしょう。国民の10%が購入しないといけませんからね。日本なら1%でミリオンヒット。

 

ですから彼らは最初から英語で歌います。すると対象は欧州全土に広がりますし、アメリカやイギリスでもそのまま売れます。

 

ABBAが良い例ですね。スウェーデン語の歌もゼロではありませんが、ほとんどが英語のみの曲しかありません。

 

最近長女がハマっているDolly styleというスウェーデン発の女性3人組ユニットも歌が全て英語です。毎朝車でガンガン流してます。

 

なので長女は訳もわからず口ずさんでいますが、もうそれが英語なのです。本人も「これスウェーデン語じゃないよね?」と思いながら大声で歌っています。

 

というわけでスウェーデンでは英語が日常生活の中に自然と割り込んで来るというか、避けて通れないといいますか、とにかく距離が近いのです。

 

また、国内だけでは経済規模に限りがあるので外国と取引するのが当たり前の会社も多く存在します。ですので、英語が話せないと就職先がかなり限られてしまうでしょう。

 

みんなが当たり前のように話せるので、CV=職務経歴書(まあ履歴書)にわざわざ「英語できます!」なんて書く必要もありません。

増してやTOEICで◯◯点!なんて書くことはまずありえません。そもそも欧州の人達はTOEICの存在すら知りません。スウェーデン人やドイツ人にTOEICと言っても「何それ?」と言われます。

 

スウェーデンでは小学校の低学年から英語の授業があり、学校では文法等のいわゆるお勉強をしますが、本当の学びの場は学校とは異なる場所にあります。

例えば、現代のスウェーデンの子供達はYouTubeやスマホで英語を上達させているそうですが、我々(3〜40代以降)の世代が小さかった頃は映画で英語を覚えたそうです。

 

スウェーデン人は「吹き替えで映画を観ないんだ!だから英語を話せるのだ!」と胸を張って言うのですが、それって日本でも同じですよね。私はあまり吹き替えで映画は観てきませんでした。でも字幕で映画を観たからと言って英語は上達しませんでした。

 

スウェーデン人にとっては、上述の通りスウェーデン語と英語は文法的に近いので、映画の字幕をなぞるだけで英語のレッスンになっちゃうのです。ズルい…

 

聞いた話ですが、ドイツでは映画がドイツ語の吹き替えになっていることが多いそうです。これは人口が8000万人もいる国だから成り立つことなんです。それだけの需要があり、商売として成り立つということです。

BMW時代に経験しましたが、BMW本社のドイツ人で特に研究開発系の人達は英語が不得意でした。

 

デンマーク、ノルウェー、フィンランドの人と会って英語で話したことがありますが、彼らの英語も素晴らしく、おそらくその背景はスウェーデンと同じでしょう。

 

ちなみにスウェーデンではNOVAとかECCのような英会話ビジネスはほとんど栄えていません。英会話スクールは探せばあるのでしょうが、日本の至る所で見かける英会話の広告はこちらではまず見かけません。そもそも需要がないんですよ…。

 

というわけで、スウェーデン人が英語をやたらと話すのは、言語的に英語と遠くないのと日本やドイツのように人口が多くないことが影響していると私は感じております。

 

日本語は言語的に英語とは距離が果てしなく離れていますから、スウェーデンやその他北欧諸国とは異なるアプローチが必要でしょう。

ですが、結局のところ英語をいかに身近で自然な存在にしていくか、だと思います。

YouTubeを上手に使えば子供の英語へのハードルをだいぶ下げられるはずです。

 

今日はこんなところで。

 

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今朝、就学前学校へ出かける前。我家のリビング。ちょっと物が増えてきてゴチャゴチャしてきたな…本日は連休前で既にリラックスムードなので朝はとことんグダグダした。

 

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夕食後の様子。みんなでダラダラとテレビを観る。最近は21時まで明るい。

 

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