スウェーデンに家族と共に移住したエンジニアのブログ

娘の教育と妻のキャリアの為にスウェーデンへ移住。

スウェーデンの週末

スウェーデンの土日は勝手にクオリティが上がります。

 

まぁ、だいたいこんな感じです↓。

 

昨日、日曜日の午前中は、妻は家でお勉強。私と娘は近所の湖へお出かけしてきました。

(土曜日の分は前回投稿参照)

 

この湖は我家から車で5〜10分の距離です。

夏、秋はブルーベリーやキノコが採れます。

こういった場所で駐車場代や入場料だとかを請求されることはありません。

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気温が5℃もあって(こういう表現になる)氷が溶けて辺り一面水に覆われていたので幻想的な景色となっていました。

 

我ながら素晴らしい写真!

 

この日はスケートマラソンと言われる長距離を滑る大会が行われていて、多数のスケーターの応援をしました。

 

↓参加者に身を乗り出して「◯◯!」(←思い出せない。多分就学前学校で覚えたガンバレー!の意味。)と叫ぶ娘。

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みんなニコニコ手を振ってくれたので娘も大喜び。

 

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私はこのスケートを履いて娘のベビーカーを押しました。

止まるとすぐに娘が「押せ押せ!」とうるさいのでかなりのトレーニングになります。

 

どうやら湖面の上にある数センチの水の上を通過する時のパシャ〜っとなるのがお気に入りの様子で、「早く水溜りに行け行け!」と連呼してました。

 

もうホント、ヤクザです。最近の我が娘…

ワガママ全開でございます。

 

3時間ほど湖で遊びお昼ごはんを食べに帰宅。

 

▪️

 

午後は近所のお友達宅でお誕生日会。

顔面はプライバシーの関係でモザイク処理。

そう言えば普段から子供達をスマホでパシャパシャ撮る親の姿は滅多に見かけません。

(多分私はかなり撮っている方)

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徒歩30秒のご近所さんなので今までも何度も互いの家を行ったり来たりしています。

 

プレゼントをあげて、それからケーキやお菓子が出てきてみんな大興奮。

 

主役のお友達は娘と同級生(タメってやつw)で、4歳となりました。娘は8月で4歳なので、日本の暦だと一個上の先輩ですね!!

(みんな背がでかい)

 

当然というべきなのか、こっちの文化には先輩とか後輩は存在しません。

 なので今日参加していた子供達も1〜4歳と年齢はバラバラ。

 

この年齢の子供達が9人も集まるともう大変です。娘も大汗をかいて楽しんでいました。

 

驚いたのが、娘のスウェーデン語の聞き取り能力が成長していること。

他のお母さんの呼びかけに対してきちんと、Ja(yes) とか Nej(no) とか意思表示をしているではありませんか。

 

ほほー。

 

そろそろ家に帰ろうかというタイミングで、私が

 

Ska vi gå hem nu? (お家帰る?)

 

と聞いたら、しっかりと

 

Nej!! (やだー!)

 

と答えてくれて私は大満足。

 

まだ就学前学校に通って1ヶ月ちょっとですが、既に色々なスウェーデン語を発するようになってきており、今後が楽しみです。

やはりちびっ子は早いですね。

 

ちなみに家では日本語を話しています。

ですが娘は既に日本語とスウェーデン語と英語の3つの言語が存在することを認識しており、何か分からないことがあると毎度毎度、それぞれ3つの言語で何て言うのかを聞いてきます。

 

私は日本語と英語なら分かるのですが、たいていスウェーデン語は分からないので誤魔化そうとすると、

 

「パパ!電話で調べて!」

 

と言われちゃいます…w

Google翻訳はそこまで正確じゃないからあんまり使いたくないんだよなー…。

 

あと数ヶ月して、娘がスウェーデン語に慣れてきたら、私は娘に英語で接することにしようと思っています。

これは多くのスウェーデンの家庭で行われていることです。

 

このように日本とは根本的に英語の習得の仕方が異なります。勉強するという感覚ではなく、幼少の頃から当たり前のように英語は刷り込まれていきます。

 

▪️

 

ちなみにこの土日での出費は牛乳二本のみ。

200円ぐらい?

 

とにかくお金を使う機会がありません。

首都であっても大自然が身近なのでそこから充実感が勝手に得られるという感じですかね。

 

東京では超浪費家だった私が、毎月かなりの額を貯金できるようになったのが信じられません…笑

 

さて、今から会議です。

時差はマイナス8時間ですよー。

 

 

英語が話せることで逆に困ること + スケートにハマりました

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昨日もスケート。これで5週連続。

刃渡り40cmのスケートで滑ります。

(娘はスケートのことを包丁と言います)


今回はVästerås(無理矢理カタカナで言うとヴェアステロ〜ァス)という80kmほど離れた街まで来ました。(車でね。スケートじゃなくて。)

ここの湖はMälaren(メェ〜ァラレン)と言って、巨大かつ人工的な風景と自然と両方を楽しめるので好きです。

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ここは会社で隣の席のおじさんのホームタウン。

今日はおじさんとおじさんの幼馴染でお医者さんと3人で20kmほど滑りました。2回の休憩を含めて3時間ほどです。

 

↓休憩はこんな感じ。各自水筒でコーヒーを持参。クッキーだとかも持ち寄ってシェアします。まさにFIKAってヤツですね。

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↓途中、おじさんのお友達にも遭遇。

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(右端が私で隣がそのおじさん。おじさんは私の師匠でもあります。弊社の設計の重鎮。)

 

今回はお医者さんが一緒なので安心!?でしたw

「何かあったら俺が最高の救急車を呼んでやる!」と、冗談を言っていました。

内科医だそうです。


しかし…今日も99%は英語で過ごしてしまった。

毎度のことだけど、最初の3分ぐらいはスウェーデン語で頑張るんだけど、段々つっかえてきて、気付いたら英語になっちゃうんだよなー。

でも仕方ない…スケートをみんなで楽しんでいるわけで、これはスウェーデン語のレッスンではないんだから。

と、こうしてスウェーデンに暮らし、毎日スウェーデン人と会いますが、大半を英語で過ごしてしまうんですね。

んー悩む。

 

右利きの人が左利きにチャレンジする、みたいな…んー、なんかしっくり来ない例えだな。

 

でもそんな感じです。

 

右手を骨折でもしていれば左利きに慣れるのも早いってことですよ。

 

つまりベストな環境は、英語が話せないスウェーデン人に囲まれることなんです。

そんなとこなかなかないんですけどね、私の生活圏だと…

でもここで踏ん張らないと、おそらくスウェーデンに住んでるのに一生英語しか話さない人になるんだろーな。


でもってこういう人達をけっこうみかけるんですよ。何年もスウェーデンにいるのに英語しか話せない人…

 

で、こういう人はやっぱりスウェーデン人からも冷めた目で見られちゃうようです。

 

これ、スウェーデン移住アルアルだと思います。スウェーデンに限らず、母国語を英語としない国だけど英語がすげー話せちゃう国、例えば北欧諸国やオランダ辺りでも同じだと思います。

マズイマズイ、何とかせねば(汗)

 

英語が通じるなら別にいいじゃん!てことでもないんです。

スウェーデン人はいくら英語が話せると言っても、所詮外国語。スウェーデンで生まれ育った人でスウェーデン語よりも英語が話せますって人はいません。

 

そして何より、スウェーデン語を話すことは、スウェーデン社会への尊重や敬意を示すことだと私は考えています。

英語を使っていると、永遠によそ者扱いされるということです。

 

ところで、スケートに話を戻して(どっちが本題なのかw) この湖は巨大で、ストックホルムから西へ百キロほど続きます。

 

↓ほら。どでかい湖。青丸が我家。赤ピンがVästerås。

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なので今日滑ったとこからずーっとストックホルムまで滑ることも可能なのです。

今日、日曜日はスウェーデンの至る所で、ストックホルムを目指す長距離レースがあり、この巨大湖を延々と滑るんです。

来年は必ず参加します。

今年は自分のペースで人の手によって管理されたところで鍛えます。

来年からはクラブに入り、大自然の秘境の地へと挑みます。

もちろん氷が割れて落っこちるリスクも高まりますが…笑笑

先週水曜日は、たいまつを持って湖をみんなで一周するイベントに行ってきました。

 

家から車で10分のいつもの湖です。

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着いたら人人人。後の発表では1000人ほど参加者がいたそうで。

 

まぁ素敵なイベントでした。スウェーデン人はこのように、いくら寒くても季節ごとのイベントを楽しむのが上手だと思います。

 

ところで、スウェーデンではあまりこういう人混みを見かけません。

 

だから外国人て渋谷のスクランブル交差点の写真を撮って喜んでいるんですよw多分。

 

あれだけ人が湧いて出てくるとこって世界的になかなかないんじゃないですかね…

 

インドとか中国はどうだか分かりませんが。

 

↓湖のスケートはベビーカーも車椅子も自転車も何でもOK。

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私が行っている湖は、自治体や愛好会に管理されていて、氷の厚さなどなどの情報を発信してくれています。

 

かといって何かあっても何かしてくれる訳ではないんですけど。

 

皆さん長年こういった環境で育ってきているので、氷が割れることはまずないと確信しているようです。

 

↓娘も凍った湖は大好き。

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ですが、海や秘境の地となると話は別で、かなりの覚悟を持って臨まないといけません。

 

どんなスポーツやレジャーでも同じことだと思いますが、刺激を追い求める分リスクも上がりますよってだけです。

 

来年はクラブに入会して秘境の地へとデビューしてみます。(今年は入り損ねた)

 

 

↓おじさん宅でのランチ。サーモンをバターで炒める。超うめぇ。

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ところで!ブログの更新頻度を上げようと思います。(多分毎日更新、多分ね。)

 

Instagramをほぼ毎日更新しているのですが、毎度文章が長くなり、もはやブログと化してきたのでこちらに思う存分書き留めようかと。

 

ではでは。ごきけんよう。

 

 

 

 

 

スウェーデン語の語学学校 続編

 

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写真は湖のスケートセット。

あまりにも楽しいので買ってしまいました。全部で3000krほど。4-5万円ってとこですかね。

 

スキーのストックのようなものも使います。

他のアイテムは誰かが氷が割れて落ちた時に引っ張り上げるロープ(赤い袋のeverestと書いてあるやつ)とか、自分が落ちた時の為のアイスピックなどなどが必須アイテムです。

 

落ちるとこうなります。

※画像は拾い物(いつか自分の写真を公開したい!)

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筋肉が硬直するまでに10分の猶予があるんですって。

這い上がってからいよいよヤバくなるまでは1時間ほど猶予があるんですっって。

 

 

今まではスケートはレンタルで済ませていましたが大規模な投資に踏み切りました!

(安全装備は周りに人がいたのでヨシとしてました。他力本願。)

 

週末に隣の55歳の同僚と湖を滑ってくる予定です。でも氷が少し溶けていてコンディションは先週ほど完璧ではないんです。思いっきり冷えて欲しい。真冬にこんな風に思ったのは初めてです!笑

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靴への刃の組付けも完了。刃渡り40cm!!

刃は日本製だそうです。取説にデカデカと書いてありました。

すごいですね、さすがMade in Japan。

 

 

 

さてさて、本題です。

語学学校に通い始めて早3週間、週に2回の夜間クラスをかれこれ6回通った訳ですが、振り返ると色々と不思議なことが起きていたので書き留めておきます。

 

初回の授業で気になった黙っていられない人、スマホをピコピコいじるヤツ、こういった人たちが見事にいなくなりました。どういうわけか4回目ぐらい辺りから来なくなったのです。ヤッタ!

 

4回目、つまり2週目の終わり時点で、当初15-6人いた生徒は約半分になっていました。

オイオイやる気ねーなー。ナメてんなー。

 

これ、授業料かかってないんですよ。本来払うべき授業料は税金から出ているんですよ。

だからこれは一種の社会保障なので自分から申し込んでおいて、ちょっと行っただけでやっぱりいいやってのはスウェーデン社会に対して極めて失礼な態度ですよね。(何か特別な理由があるならともかく)

 

もしかしたら導入クラスはもはや十分と判断して別のクラスに移ったとか・・・?

いやいや、そんなはずはない。彼らは明らかに私よりかは分かっていなかったはずだ。

 

なので4回目の時点で熱心な人しか残っていなかったので、とても学びやすい環境でした。

ところが、翌週の5回目にまたゴソっと人が増えたんです。10人ぐらいですかね、増えたのが。

なのでまた初回のように15人程になり、終始ザワつく感じになってしまいました。

 

要はこれ脱落者が出た分の空いた枠に新しい人たちが入ってきたってだけなんですね。

そういえば私も語学学校を申し込んでから1ヶ月以上待った記憶があります。

 

何だかサバイバルゲームのようです。導入クラスに耐えられるのはざっと50%ってことなんですかね。

 

 

まぁ脱落者のことはさておき、私は来週一杯導入クラスに通ったら、その翌週からは本来のクラスに合流するようです。

で、この本来のクラスというのが色々とあって、以下の要素で振り分けられます。

・母国でどんな教育を受けてきたか(高卒とか大卒とか、はたまた学校に行ったことすらないとか)

・英語がどれぐらい話せるか(スウェーデン語と英語は親戚みたいなものなので)

 

私は日本で大学も出ていますし、英語もまぁ問題がないのでそういう人たちが集うクラスに入れてもらえるようです。でもこれ自己申告なんですよね。特に学校側は学歴も英語もどれだけ話せるのかも調べません。

 

同じ導入クラスのKさんは、お世辞にも英語がきちんと話せないので来週でお別れかーなんて思っていたら、その後も私と同じクラスになるそうです・・・。あれれ。。。

 

日本人って何でも控え目に物事を表現するじゃないですか。

でもKさんって「私は英語は大丈夫だからぁ~」ってサラって言うんですよ。

オイオイオイ!お前そのレベルで!?って思いましたよ。

 

なんと言うか、外国人の自分への過大評価ってすごいですよね・・・。

(注:スウェーデン人やドイツ人はこんな感じではないです)

 

でもこの精神性ってこういう環境でたくましく生きていくのに必要なことだと思います。Kさんは熱心だし、同じクラスでもまぁ良いかなと思います。

 

多分一般的な日本人だったら、正直に”私英語ができないんで”と申告してしまい、下のクラスに割り振られてしまうんだと思います。

でもそこだと勉強の仕方を知らない人たちと共に時間を過ごさないといけなくなります。ペンを盗られちゃったり、発言をさえぎられたりと散々な思いをすることでしょう。

勉強どころじゃないと思います。

 

Kさんは勉強をするのに相応しい環境が欲しかったのかもしれません。

 

こんな地球の裏側で腰を低くしてかしこまっていても何の得も無いんだなと感じました。

なのでKさんの英語が”大丈夫”だとするならば、私の英語はもはや”完璧”です。そういう風に思うようにしました。

ところで、Kさん、ギリシャから来たと言っていたのに、よくよく聞いたら隣のアルバニアという国から来たらしい。

でもアルバニアは誰も分かってくれなくて面倒だからギリシャって言っちゃうんだって!なんだよそれ!

まぁ俺もこの人に会うまではアルバニアって国がどこにあるか全く見当が付かなかったけど・・・。

 

ありがとうKさん。

 

いつか行ってみるよ、アルバニア。

 

ってな感じで楽しく学んでおります。2時間半があっという間に過ぎていきます。

導入クラスが終わり、本来のクラスに合流したらまた色んな印象を抱くでしょうからまたアップデートします。

 

それではまた。

 

※授業でノートを取るのが久しぶり過ぎて楽しい。吹出しが面白いと思います。

・となりのラテン女がセクシーすぎる

・後ろのポーランドの子がかわいい

とかとか。後から読み返したときに笑えます。

そうそう、時計の読み方が超難しい。。。例えば12:25のことを、「Fem i halv ett」と言いますが、直訳すると「13時まであと30分の5分前」という意味です・・・。

 

スウェーデン語で待合せの約束をしたら絶対に会えない自身有り。

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スウェーデン語の語学学校で感じたこと

 

娘の幼稚園開始と共に、私もスウェーデン語の語学学校に通い始めました。昼間は仕事があるので、火曜と木曜の17:30-20:00の夜間クラスです。

 

スウェーデンでは、移民も難民も無料で語学学校へ通うことができます。正しくは税金で運用されているので、「スウェーデン語を学び、スウェーデン社会でより活躍してくださいね=いっぱい納税しましょうね!」という意味の先行投資ということになります。

 

私は仕事の大半を英語でやっています。私の場合は機械部品の設計、製図が主な仕事で、これらは英語で書かれます。日本企業在席時も図面は日本語と英語の併記でした。

また、取引先のほとんどはスウェーデン国外の会社なので、仕様書等の重要な文書は英語で書かれていることがほとんどです。

ですので、仮にこのまま定年まで英語だけで過ごすことも不可能ではありません。

 

ですが、例えば会社全体の事業方針説明等の大きなミーティングはスウェーデン語で行われる為、もうチンプンカンプンです。その間、何をするかと言うと、映し出されたスライドに出てくる単語をひたすらGoogle翻訳で調べます。

そうすると、何となく何の話をしていて、それが良いことなのか悪いことなのかぐらいは分かってきます。興味のあるところは後で同僚に聞いてみたり。

私以外にスウェーデン語が分からない人は誰もいない為(一人オランダ人がいたかな?)、こうなっています。

 

メールやその他文章はGoogle翻訳が非常に良くできているので、スウェーデン語を英語にすることでこれまた大半が理解できてしまいます。

でも、同僚同士の世間話は全く訳が分かりません。私もみんなが一斉に笑うタイミングで笑いたいです・・・。

 

会社の外でも多少苦労はしますが、結局はみなさんほぼ完璧な英語を話してくれるので英語一本でも何とかなっちゃうんです。

なので長いことスウェーデンに住んでいる外国人が、スウェーデン語を全然話せないというのはよくあることです。

 

私は、本当の意味で会社もしくはスウェーデン社会に溶け込むにはスウェーデン語を話さないとダメだと思っています。(なかなか英語から抜け出せないのですが・・・)

それ以前に、永住するつもりでスウェーデンに来ているわけですから、ここでスウェーデン語を話さないと言うのは選択肢にありません。

 

前置きが長くなりましたが、これらが語学学校へ通う理由です。「別に英語ができるんならそれでいいじゃん」という方がいたら、そうじゃないんですよ!というのをまず伝えておきたかっただけです。

 

ところで、スウェーデンに住む、スウェーデン語が話せない人って大きく分けて二つ存在するんです。

一つは私のように、仕事があって自分の意思でスウェーデンへ来た人。

もう一つは昨今話題になっている難民です。

 

ひとえに難民と言っても様々な背景に分かれます。

 

母国で高等教育を受けた人、またそうでない人。場合によっては学校に通ったことすらない人も存在します。

日本ではこういった人たちと接することはまずないでしょう。

 

難民と聞くと日本では「危険な人たち」なんてイメージがあるかもしれませんが、私にはそんなイメージはまずありません。

彼らは文字通り戦火を逃れてきた人たちで、全ての財産を失っている人だっています。ここ数年に限った話ですが、そんな彼らを暖かく迎えてきたのはスウェーデンとドイツです。トルコやヨルダンもそうなのですが。

基本的に、私がこれまで会ってきた彼ら難民は、スウェーデンという国や社会に対してものすごく感謝をしています。そりゃそうです。困っているところを助けてもらえたわけですから。

彼らは早く仕事を見つけ、国から受けている補助・手当てを返したい、更には社会に貢献したいと考えています。もちろん中にはいわゆる”タダ乗り”をしに来ている人もいるのでしょうが、一定数そういう層が紛れるのは仕方のないことだと思います。この点はスウェーデン国内でも世論が大きく分かれているようです。

 

とにかく、私は週に2回ほど、難民と共にスウェーデン語を学んでいます。

 

ちなみに生徒の出身国は以下の通り。

アフガニスタン、ヨルダン、イエメン、イラクx2、イランx2、ギリシャx2ペルー、エストニア、ベトナム、日本(私)。

 

そう言えばシリアの人がいないなぁ・・・

 

でもって先生はロシア人。ばっちりロシア訛りです!まさかスウェーデン語をロシア人に教わるとは!!

 

とまぁ、先日、初回の授業があって、びっくりしたことが色々とあるので列挙してみます。

 

①みんな時間通りに来ない

私のクラスは15人弱の編成なのですが、開始時間に席についてるのは半分以下。その後一人また一人と遅刻してきます。でもって遅刻したくせに全く申し訳無さそうじゃないんです。

 

②マナーモードにしない

また、遅刻をして、席に着いたかと思ったらスマホをピコピコいじりだします。でもって音を出しちゃうんですよ。ピコピコとかポヨンポヨンとか延々と聞こえてくるんです。マナーモード知らないのかな。

先生が注意するのかなと思っていたのですが、結局最後まで注意しませんでした。

 

③自分が指されていないのに勝手に答えだす

先生が誰かを指して何かやりとりをすることがあるじゃないですか。そういう時に勝手に割って入ってきちゃうんです。実際にあったのが、先生から私がどこから来たかと聞かれて、全然関係ない他の生徒が

「彼は日本から来た!俺は知ってるぜ!ヤッホーイ!」

とか言い出す始末です。オイオイオイ。

もう何だか、先生の質問には全て答えたい様子で、クイズ番組のように食い気味で何か答えるのですがたいてい間違えちゃっています・・・。

これも先生は最後まで注意しませんでした。

 

④筆記用具を持ってこない

ノートもペンも持ってこない人たちが3-4人いました。衝撃的だったのが、私が自分の目の前に置いていたペンを隣の人に無言で取られたことです。

 

で、授業が終わった後に先生に色々と文句を言ってみました。何故諸々の注意をしないのかと。授業を円滑に進めるべく、先生はその努力をするべきだと伝えたところ意外な言葉が返ってきました。

 

「彼らの中には教育に全く触れたことが無い人もいます。あなたのように、学校では静かにし、他人を尊重して邪魔をしないことが当たり前でない人もいるのです。彼らに静かにしなさいと言っても、何故そうしないといけないのかを説明しないといけなくなります。また、この教室では誰もが自由に発言できるという自由もあります。」

 

おお~・・・なんだ。なんなんだこの世界は。

 

「でも心配しなくていいわ。このクラスは数週間で終わる導入の位置づけで、あなたは母国で高等教育を受けた人たちのクラスに合流するの。」

 

なんだ!なら良いか!これならスマホピコピコ、勝手に発言、ペンの盗難からも逃れられると思います。

 

と、まぁこんな感じです。

 

最終的に感じたのは、日本の教育ってすごいよなぁってことです。静かに先生の話を聞ける環境がどれだけ素晴らしいか、スウェーデンの語学学校で難民と共に勉強し、ロシア人の先生とお話した結果、日本の教育から得られるマナーのレベルは世界に誇れるなと。

 

日本にだって荒れてる学校はあると思いますけど、授業中の私語であったり、スマホをいじるとか、他人の発言機会を奪うことはいけないことだという自覚はあるはずです。

 

前回のブログでスウェーデンと日本の教育思想の違いについて書いてみましたが、両者とも世界で見ればトップクラスのレベルです。

 

さて、今年の終わり頃には同僚とスウェーデン語の冗談で笑いたいと思っています。

私には英語のスキルがあるので、スウェーデン語は英語に上乗せするだけで良いのです。日本語と英語ほどの違いはありません。

 

なので一年で何とかなると思っています。

ただ、やるかやらないかは自分次第。

 

もう割と話せるんですけどね。

「試作品は日程上スウェーデン製の予定だと理解していますが、量産をアジアで生産する場合にどういったリスクがあるのかみなさんに問いたい」

これを先日会議でスウェーデン語で言ってみたら、みんなから拍手をされました!笑

 

がんばろっと。

スウェーデンの教育思想

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34ヶ月の娘が就学前学校(スウェーデンでは幼保一体で幼稚園と保育園の区別無し)に通い始めました。

 

本日で一週間少々が経過しまして、まあ多少グズグズする時もありますが、うまくやっているようです。

 

スウェーデンでは、本人の負担軽減として、最初の数日は両親が付き添ったり、その後も父親もしくは母親が付き添うことが一般的です。

 

詳細は妻のブログに書かれているのでご覧下さい↓

sverigelif.exblog.jp

 

私も数日間に渡り、娘と共に就学前学校へ通った訳ですが、そこからスウェーデンと日本の異なる部分が透けて見えた気がします。

 

上述の通り、見えた気がするだけですし、ここから先は、私が同僚やご近所さん、スウェーデン人の友人から聞いた話を組合わせて思い込んでいる話です。

ですので「へぇ~、スウェーデンってこうなんだぁ」と一般化して解釈するのは少々乱暴ですので、一つのサンプルとして参考にしていただければと思います。

(今回のタイトルを見ると、いかにも学者さんが調べたかのような印象がありますが・・・w)

 

さて、先週は就学前学校に娘と共に通い、娘がどう馴染んでいくのかを見届けるつもりだったのですが、思いの他、娘は初日から伸び伸びと過ごせたので、私は他の子供と遊んでみたり、施設や設備を観察してみたりと、より広い視野で見てみました。

 

その結果とにかく感じたことは、規則・決まり・ルールといったものが前面に出てこないことです。

 

先生がクラス全員の子供たちを集めて、みんなで何かをやりましょう!といった時間も時々あるのですが、まあ小さい子供なので中にはフラフラっとその場を抜け出し一人違うことをやりだす子がいるのですが、そういう子に対して先生は全くお咎め無しです。

 

もう勝手にしろって感じですね。

 

日本だとどうでしょうね、おそらく誰かが、例えば別の先生がそういう子の手を引っ張って連れ戻そうとするのではないでしょうか。

 

「みんなで同じことをやっているんだからあなたもそうしなさい」

 

というのがそうする理由だと思います。

 

この点はもはや理屈ではなく、日本人らしさというか、国民性なのだと思います。

 

他にも色々と感じることが多々ありましたが、この点がスウェーデンと日本で大きく異なると感じました。

 

スウェーデンでは団体行動においての組織力と言ったら大げさですが、みんなで何かやろうとする時のまとまり具合は、日本と比べて低いように思えます。

 

例えば会社で同僚とミーティングをした時は、私の経験上、日本だと緊急でもそうでなくとも、必ずホワイトボードに「誰が・いつまでに・何を」と議事録をとって、それを必ず守る文化が暗黙のルールとして存在していました。

 

軍隊だとかは例外でしょうが、ここスウェーデンではそういった場面にあまり出くわしません。

 

よほどの緊急課題であれば話は別ですが、ほとんどのケースで期限を明確に区切ることはない気がします。緩いと言えば緩いのですが、彼らスウェーデン人が優先しているのは個人に対してあまりプレッシャーを与えないように配慮しているのだと思います。

 

実は、この点で私はちょっと苦労しています。自分としては、ミーティングで「○○さんがだいたい△△までにやってくれるだろう」と解釈をしていたとしても、蓋を開けてみたら全く手を付けていなかったなんてことがよくあるんです。

 

日本人的感覚からすると、「仕事なんだから、今やる・すぐやる・全部やる」なのですが、彼らは違うんですよねぇ…

 

こうした場合は、相手に催促をする訳ですが、これが簡単ではないのです。

 

日本だと通用する

 

「そういうルールですから」

 

とか

 

「仕事なんだからさ~」

 

というのが通用しないのです。

(※もちろん日本にいた時もこんなんで話が進まないことも多々ありましたがw)

 

例えば、日本では、お役所や銀行などの手続きは、ルールさえ守っていればものすごく早く終わります。

逆に少しでもルールを破ると即アウトです。

(半角で入力するルールに対して全角で入力したとかw)

理由は「そういうルールだから」の一点張りです。「◯◯だからダメなんですよ」の説明がないと思います。

 

スウェーデンでは、例えばルールから外れていても、事情を説明してゴリ押すことが可能だったりします。

 

でも、それをやるには背景や目的に加え、相手がそれをやらないと自分や、組織なり会社へどんな悪影響があるのかを説明し、納得してもらわないと進まないのです。

 

これは上司が部下に対して何かを指示する時も同じです。

 

単に

 

「上司の命令だからやれぃ!」

 

と言っても誰も言うことは聞かないでしょう。

 

上司からの指示も日本と比べて曖昧で、全体の状況と大まかなターゲットぐらいしか説明はありません。

 

あとは勝手に良い感じでやってくれってことなのです。

私はこれを自分で考える余地を与えられていると解釈しています。

 

ただ、あまりにも自由なので、知らないうちに御法度に触れていたり(まぁ御法度なんてあんまりないんですけど)、必要なプロセスをすっ飛ばしていたりと、必ずしも効率的でないような気がします。ですが、(私が個人的に)日本で働いていた時によく言われた、

 

「アレもダメ。コレもダメ。」

「○○さんは癖があるから気をつけろ。」

「よく分からないけど昔からみんなこうやってるから大人しくそれに従え。」

 

のようなことが存在しないのは働いていて気分が良いですし、同じ間違いは二度と起こしません。

 

スウェーデンでは、個性重視で伸び伸びと働けて、思いついたことを割と気軽に試せますが、日本と比べると全体的にまとまりがないというか、みんなバラバラな気もします。

ですが、なんだかんだで期日には間に合っていますし、最終的には期日に間に合わせるようなやり方に切り替える柔軟性もあると思います。

 

ん~、でもスウェーデンで管理職をやるのって大変だなーって思いますよ。ホントに。

(日本の管理職が簡単だとも思ってません!)

 

会社だけでなく、社会全体がルールに縛られるというよりも、各個人が合理的な解決策を常に模索しているように感じます。

その結果として、前回書いた超IT社会に行き着くのかなと。

 

話を元に戻すと、就学前学校での団体行動の様子を見ていて、私の会社での経験とリンクした訳です。

 

ところで、就学前学校以降の教育は、親としてもまだ直接触れていない為に実態はよく分かりませんが、同僚や友人の話を参考にすると以下の通りです。

(※飽くまで私個人の印象ですからね!)

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もちろんこれは一般化した場合の話ですので、スウェーデン人でも創造性の無い人は沢山いるでしょうし、日本人でも想像性豊かな人だって沢山いると思います。

 

但し、幼少期からの学校教育で、ルールに従えとかみんなやっているんだから"というのが前面に出すぎると、創造性は当然欠如していくのではないでしょうか。

 

反面、全体の和を重んじる社会となり、必然的に礼儀・マナーや協調性の向上につながっていくと思います。日本のサービス業で感じられるようなおもてなし精神は世界一だと思います。

 

スウェーデンだけでなく、諸外国のコンビニやファーストフードの店員の態度の悪さにはビックリします。この点において日本は本当に素晴らしいなと。

 

ですから、創造性と協調性はある程度バーターの部分があるのかなと。

日本もスウェーデンももう少し適切なバランスの取り方があると思います。どちらの社会も完璧ではないと思います。

 

娘にはどんな環境になっても、たくましく、そしてグローバルに生き抜いてもらいたいので創造性や問題解決能力をバッチリ備えてもらいたいと思っています。

 

なので、我々のような思想を持つ親にはスウェーデンの教育思想が合っていると思います。 

 

知識の部分は、詰め込み型か否かの違いです。スウェーデンには偏差値というものが存在しません。

 

また、学校のテストで「次の1~4から適切なものを選べ」といった選択式やマークシートのものは存在しません。

 

ほとんどが「○○について論ぜよ」といった漠然とした問いに対して自分の考えを述べるのがテストなんだそうです。

 

選択式ではラッキーパンチの確率もありますが、論述となると深く理解していないと書けません。

 

スウェーデンでは、正解は必ずしも1つではなく、色々な角度や観点で見え方は変わるというようなことを学ぶべきだと考えているようです。

 

また、"1192作ろう鎌倉幕府"のように、何年に何があったかを答える暗記クイズではなく、その中身や過程を重視するようです。

 

例えば、「何故幕府という形態を取ったのか」とか、「その狙いと長所短所を論ぜよ」のような問題になるはずです。

 

近代史ならまだしも、まぁ確かに1192年でも何年でも良いですよねぇ。

 

そう言えば最近、実は1192年じゃなかった!なんてニュースを読んだ気が…

 

この辺りからも創造性や問題解決能力の違いが出てきそうです。

 

この点はまた別途書こうと思います。

(皆様から要望のコメントがあれば書きます…)

 

というわけで、

 

・教育の入り口である就学前学校

・教育の成果を発揮する場である会社


この二つを無理矢理ですが点と点で結んでみました。

 

盛大なタイトルの割に、ややまとまりのない記事になったかと思いますが、これ以上書いても余計にまとまらない気がしますので、今回はこの辺で。

 

やっと湖が凍ったので週末は楽しみにしていた湖上スケートデビューしてきます!!

 

 

超IT社会のスウェーデン

 

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 明けましておめでとうございます。

 

↑の写真は娘の就学前学校です。

スウェーデンは幼保一体なので幼稚園、保育園とは言わないんです。

スウェーデン語でFörskolaと書き、För=前、skola=学校という意味です。

 

森が目の前に広がり、湖に面していてまさに私が理想とする環境です。

昨晩降った雪が凍った湖面にうっすらと積もっています。

 

さてさて、今回はスウェーデンのIT社会について書きます。

お役所や銀行等の「あ~めんどくせ~!」が全てアプリでチャチャっと済みます。

 

↓は私のスマホのキャプチャ。

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簡単にまとめると、それぞれのアプリの用途は↓の通り。

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 ※訂正

認証、ログインアプリのところ。

正しくは「銀行や公的機関に"発行"してもらう」

 

日本ではやっとこさマイナンバーが導入されましたが、スウェーデンではパーソナルナンバーといい、数十年前から運用されています。

 

また、インターネットの普及、スマホの進化に合わせて社会もものすごいスピードで変わっています。

そしてスウェーデン人は、最先端のテクノロジーが大好きな国民性だと思います。

 

日本だと、シニア層に「そんな訳の分からないものはいらん!」と言われてしまいがちなことが、こちらでは「何コレ!超便利じゃん!」となり、急速に社会へ浸透していきます。

 

なので高齢者にとってはこの社会の変化についていくのが大変かもしれません。

例えば何かの明細を紙でもらいたいとなると別途料金が発生してしまうんですね。

 

ですが、経済を活性化し、社会の主役となるのは現役世代なので、彼らが効率よく働ける、生活できることに重点を置いている社会なのだと解釈しています。

 

日本でもせっかくマイナンバーを始めたので、スマホとリンクさせることで、銀行、お役所、警察署等での行列が解消できると良いのかなと思います。

 

ではでは。

 

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スウェーデンの会社では風邪を引いても有給休暇を使えない!

 

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↑先週、記録的大雪となったので雪だるまを作りました。ストックホルムって意外なことに11月、12月は雪が降らないんですって。

雪が降ると外が明るくなってとってもハッピーな気分になります。

 

さて、ここからが本題です。

 

先日、スウェーデンに来て初めて風邪を引いてしまい、会社を休みました。

(こんなことすら新鮮!あはは)

 

休暇の制度が日本とは全く異なることを体感したので書いておきます。

 

まず、風邪を引いても有給休暇を消化とはなりません。突発有休というものが存在しないのですね。

同僚や近所の人たちにも聞いてみましたが、他の会社でも同様です。

 

風邪に限らず、病気や怪我で短期または長期間出社できなくなるとどうなるのか、簡単に書くと以下の通りです。

 

(これは私の場合。所得や業種によって多少異なる点あり。)

 

 

<風邪を引いた・怪我をした場合>

初日             無給

2-14日         会社より80%の給与が支給される

15-90日       社会保険より職業に見合った手当て+会社から少々(≒給料の80-90%程度)

90日以降      社会保険より職業に見合った手当て(≒給料の70-80%程度)

 

※1     職業に見合った手当てというのは、必ずしも現在の給与を保証する訳ではなく、世の中一般的に見てその職業がどれぐらいの賃金であるかを社会保険庁が決めているということ。給与との差額を補填してくれる保険も有るが、私の周りでは誰も入っていない。

※     15日目以降は医師の診断書が必要で、医師が定めた期間は社会保険庁より保障が受けられる。

 

 

<子供の具合が悪い時>

また、子供が風邪を引いた場合に私が会社を休んだとすると、これもまた有給休暇とはならず、収入は社会保険で保障されます。数日であれば診断書の提出も必要ありません。ちょっと面白いのが、子供の面倒を見るのは祖父母でも良くて、何ならご近所さんでもこの保障が受け取れます。税金さえ払っていれば誰にでも権利があるということです。

 

これは形だけの制度だけでなく、実際のところ管理職含め、同僚のみなさんはけっこう休んでいます。それも1日や2日ではなく、一週間ぶっ続けで不在というのもよくあります。

特に小さいお子さんがいる家庭はお約束のように家族が順番に風邪を引いていきますよね。全員が完治するのには確かに一週間ぐらいかかると思います。

 

このように、会社を休むことに対して抵抗は無く、職場の理解もあります。スウェーデンでは、自分や家族の体調が少しでも優れない時は家にいるべきだと考えられています。

 

マスクを付けてゴホゴホしながら「俺頑張ってるぜ!」とモーレツ社員を演じても迷惑なだけなんです。会社は病原菌を持ってきて、周りに迷惑をかけるところではないのです。また、休み明けも申し訳無さそうに出社することもありえません。

(そう言えば、「日本人はなんでみんなマスクを付けてるんだ!?空気が汚れてるのか!?」とよく聞かれます)

 

この制度を悪用することも可能なのでしょうが、社会全体が市民を信用し、会社は従業員を信じていることが感じ取れます。

こういう風にリターンが身近に感じられるというか、みんなで助け合っている実感があるので、私としては税金の高さに全く文句はありません。

 

 

<有給休暇>

そもそも、有給休暇とは従業員に与えられた権利であり、仕事から離れてリフレッシュし、会社では常にベストなパフォーマンスを出しましょうというのが趣旨です。

 

ちなみに、私の有給休暇は6週間あります(スウェーデンでも少し多い方かも)。日本だと30日と言うところ、スウェーデンでは必ず○週間と表現します。それは有休を単発で取る文化になく、必ず5日間連続で取得し、1週間で1セットという考え方となるからです。

 

私は今年、夏休みで5週間使っちゃったのであと1週間しかありません。スウェーデンは休みが多いように思われますが、国民の祝日が少ない為、稼働日(=会社に行く日)は日本にいた頃とあまり変わりません。

 

ですが、自分のタイミングで超大型連休を自由に作れるのは大きな違いです。連休スタートは各自バラバラなので、お盆休みやゴールデンウィークの規制ラッシュといったものが存在しません。

(日本では天気だけじゃなくて渋滞も予報できるんだぜ!って言うとすごくウケます)

 

また、有給休暇期間中に体調を崩した場合は、これまた社会保険庁よりお金が払われます。その分の有休はまた後日に取得することができます。もうね、有休への執念がすごい・・・。

 

いやー、信じられないですよね。

でもここスウェーデンではこれが当たり前なんです。当然の権利なのです。

 

 

<今後、日本は現実的なターゲットを設定できるかが鍵>

これを読んでいる方は、「そんなんで会社は利益出せるのかよー」と疑問を持たれるかと思います。

ですが、スウェーデンやその他欧州の先進国は、概ねこのようなやり方で国として成り立っているんです。一人当たりのGDPや労働生産性は常に日本よりか上位です。

 

私が思うに、スウェーデンでは企業なり社会なりのターゲットが人間の特性に合わせた現実的なものであるように思えます。本人や子供が風邪を引いてしまうのを前提としたターゲットの設定なのです。

 

日本だと誰かが休むとなると「ナニィッ!!誰か代わりはいないのかぁ!!いないなら這ってでも出社せい!」となり、這いつくばって出社する美学がありますよね。

 

そもそもの人間の特性を無視した前提と、無謀なターゲット設定がこうした状況を生んでいるのではないでしょうか。

 

働き方改革が昨今の話題となっている日本にとって、こういった情報をマスコミ・メディアは報道するべきだと思います。

右に倣えでスウェーデンや北欧諸国の制度をコピー&ペーストしてもうまくいかないでしょう。どちらが良い、悪いではなく、日本には日本の歴史、国民性、やり方というものがあるはずです。

 

既存の制度を変えるには、みんなで興味を持って議論に参加し、最終的には投票という行為で意思表示をするべきです。スウェーデンの投票率は85%!!

 

まずは、他の国がどんな風になっているのか、少しでも参考情報を集めるのは決して無駄なことではないでしょう。

 

私もこのブログを通じて、こういった情報を拡散しようと努力をしていますが、なかなか多くの人の目に止まらないのが現実です。

どなたか良い手段があれば、また、メディア関係にツテがある方がいらっしゃいましたらご教示願います。

 

コメントはずーっと下のほうにスクロールすれば書けるようになっています。

 

※余談

最近は↓のように、FIKA(コーヒーブレイク)の代わりに外を散歩しています。

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