スウェーデンに家族と共に移住したエンジニアのブログ

娘の教育と妻のキャリアの為にスウェーデンへ移住。

EVのランニングコスト 2023年3月分

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ホンダの e というEVに乗っております。

EVというと環境に良いってことになっていますよね。生産工程やらリサイクルやらを考慮するとCO2の排出量はガソリン車よりも多いんだー!とか何とかよく聞きます。

 

私はそんなことどうでもいいんです。まぁ一応自動車業界に勤める端くれとして、どうでもいいとは言ってはいけないのでしょうが、まぁハッキリ言って環境の事を考えてEVに乗っているわけじゃないんです。

 

では何故か?安いんです。ランニングコストがべらぼうに安いんです。

というわけで、どれだけ安いのかをここに書いておきます。

 

2023年3月1日から31日までにかかった充電費用:(1kr=12円で計算)

自宅での充電 365kWh ➡ 312kr (3744円)

会社での充電 116kWh ➡ 174kr (2088円)

 

合計 486kr (5832円)

 

2023年3月1日から31日までの走行距離:

3月1日:8540km→3月31日:10400km

 

1860km

 

つまり1860kmを5832円で走行したことになります。

1000km換算なら3135円ということになります。

 

比較対象が先日まで所有していたAudi A6(2L ディーゼル)で車格も何もかも異なるのですが、この車を軽油で満タンにするのに18,000円(1500kr)ほどかかります。満タンで約1000km走行できます。(2023年4月現在、スウェーデンの軽油価格:22kr/L=264円/L)

 

3135円と18,000円の違いです。ビックリ。まぁ比較対象が間違っているんですけど、それは置いといて。

 

更に、今回は3月での電気代での計算でしたが、今後暖かくなるにつれてスウェーデンの電気代はどんどん安くなります。

この国では冷房は基本的に不要です。オフィスや商業施設にはありますが、各家庭に冷房はありません。極たまに見かける程度です。なので夏場の電力需要は日本のように高くならないので電気代も安くなります。

 

更に更に、外気温が上がるとEVの電力消費、いわゆる電費(でんぴ)は良くなります。3月までは家から会社に行くだけで40%ほど消費していましたが、4月中旬現在では20%ほどです。

会社での充電は1.2kr/kWh(14円/kWh)しますが、自宅だと0.4kr/kWh※(4.8円/kWh)でした。

 

※3月の一カ月での平均額。一時間毎に電力料金が変わる契約で、夜中は電力需要が少ない為に料金が極端に安い。夜中の安い時間帯にEVを充電するのが常套手段。欧州の電気代は確かに高くなっておりスウェーデンも例外ではないが、夜中は激安となる。

 

つまり、4月から10月までは電気代は安くなるし電費も良くなるので、充電費はさらに安くなります。半額ぐらいになるでしょう。

 

ちなみに、Honda eはリース契約で乗っています。毎月4200kr(50,400円)ですが、保険(対人対物無制限・盗難・自損事故)と冬用タイヤも込みなので、これ以上の費用はかかりません。

ちなみにこの車、買うと450万円もするんですね。高過ぎだろ。。。ちなみにスウェーデンでは誰も乗っていません。唯一無二の存在!って感じが最高です。

 

つまり、Honda eの維持費は50,400円+5,832円(3月分充電費実績)=58,232円/月となります。

 

2016年式だったAudiは毎月約3000kr(36,000円)のローンに加えて約800kr(9,600円)の保険代がかかっていました。そこに更に定期点検やメンテナンス費が乗っかってきます。高い時は15000kr(180,000円)ほどしますし、安い時でも3000kr(36,000円)はかかります。年平均で8000kr(96,000円)ぐらいと見積もれるでしょう。

自動車税や二酸化炭素税も馬鹿になりません。これも毎年2000kr(24,000円)ぐらいかかっていたと思います。

他にもタイヤ代も馬鹿になりません。夏用冬用と両方必要なので、数年に一度大きな出費が発生します。以前購入した夏用タイヤは4本セットで80,000円以上しました。走行距離にもよりますが、3年に一度は夏、冬のどちらかのタイヤを買わないといけないとすれば、毎年タイヤ代は26,666円見積もっておかないといけません。

 

まとめると・・・

<2016年式Audi A6 2.0L Diesel維持費>

点検整備、メンテ:96,000円/年=8,000円/月

税金:24,000円/年=2,000円/月

タイヤ:26,666円/年=2,222円/月

保険:115,200円/年=9,600円/月

合計 261,866円/年=21,822円/月

 

これに軽油代が36,000円(2,000km走行として)乗っかるので、

 

Audi A6の維持費は57,822円/月ほど。

我家の場合ここにさらにローンが加わるので93,822円/月でした。

 

どちらを手放すべきか、答えは明確でした・・・。

Honda eは新車ですし、「どこか壊れたら予定外の出費だなぁ」と考える必要が無いのは非常に快適です。

ただ、遠出はできない事ないのですが、高速道路を走り続ける場合、冬場だと1時間おきに15分ほどの急速充電が必要となります。夏場なら1.5時間おきに15分程度。

また、100km/h以上で走ると電池の減りが異常に早くなります。なので高速道路は走行車線を延々とちんたらと90km/hで走る羽目になります。

当初はこんなの面倒だと思っていましたが、実際にやってみると強制的に安全運転をすることとなり、家族全員の命を守るという意味では素晴らしいことだなとポジティブに捉えられるようになりました。

 

 

というわけで、経済的に一番良いパターンはEVを一括で買う!ということになります。

しかし、これはやりたくないんです。

 

それは急速充電を繰り返すとバッテリーの性能がどんどん落ちるからです。それに、そもそもEVは内燃機関ほどの歴史がありません。

そもそも、それなりの車格のEVはどれも高価ですし、仮に購入したとしても数年後の価値がどうなっているのかは謎です。テスラは中古車でも高値で取引されていますが、EVは政治に利用されている感があるのでこの先数年で市場価値がどうなるのかは正直不安なところです。

 

ところで、Audiを手放したのは、カミさんが転職をした為、車が2台も要らなくなったからです。それまでは勤務先が遠く、子供達の送り迎えなどを考えるとどうしても2台必要だったのですが、転職に伴いHondaかAudiのどちらかを手放すことになりました。

 

しかし、Hondaは3年のリース契約。将来的に家の近くに転職できたら良いねと言っていたのですが、思いのほか一瞬で転職が決まってしまい、Honda eの3年契約がちょっと誤算となりました。

Facebookやらメルカリ的なサイトでリース契約を引き継ぎたい人を探すことも可能でしたが、昨今のインフレ(住宅ローン金利爆上りで毎月10万円程支出増!)を考慮し、維持費が高い方を手放すことにしました。

 

当然、Honda eで家族4人はかなりキツキツです・・・最悪はリース契約を引き継いでくれる人を探して、別の車両に乗り換える他ありません。昨年11月からHonda eでの一台生活をしてきましたが、今のところ問題なく過ごせています。昨今のインフレの事を考えればやはりこの選択が正解だったと思います。

 

というわけで、後残り2年少々はHonda eを乗り続けます。2年後、インフレが落ちつきEVの価格も下がっているといいなぁ。高年式で状態の良いEVはおそらく難しいでしょう。とにかく高い・・・

 

しかし!PHEVになるとだいぶ値段が下がります。勤務先まではたいていのPHEVで電気のみで十分通えます。となればランニングコストは今とそれほど変わりません。

 

狙い目はBMW 530e、Mini Countryman、VW Pasaat GTEあたりかなと。まぁまだ2年も先の話なのでゆっくりと考えます。

 

本当は私が仕事で開発の携わったPolestar 2がいいんですけどね。これはEVで値段が高い高い。

これです。Polestar 2 BST。マジでかっこいい。この車に搭載されているサスペンションの開発を担当したのは私なんです・・・。図面を書いたりテスト計画を立てたり、客先であるPolestarと技術仕様や試験内容の交渉を何度もしたので思い出深いのですが、高い高い。1千万円以上するのでちょっと手がでないかなぁ。。。